4話「スカルと魔法」
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ということで、俺たちは絶賛レべリング中である。この世界にステータスの概念があるかどうかは知らないが、今のところステータス画面が表示とかアナウンスが聞こえるなんて事はない。
まあだが、戦闘の経験をつめばそれだけ強くなるだろう。ステータスがなくてもそこは変わらないだろう。
俺はその辺で拾った木の棒(ドラ○エ風に「ひのきのぼう」と名づけよう)で練習をしている。
大きさも手ごろで、片手で持てる程度だ。このひのきのぼうでの打撃。空いた左腕での攻撃。蹴り。
基本この三つを使い分けて戦う戦闘スタイルが今の俺だ。
一方スカルも、ひのきのぼうを使った戦闘スタイルを使っている。ただ、スカルはあまり近接戦闘が得意じゃないらしい。明らかに俺よりも威力が出ていない。筋力的な問題か?骨に筋力ってのもおかしいがな。
だが、スカルは俺には持っていない特技を持っている。サラッと聞き流していたがスカルは魔法が使えるのだ。
と、言っても風で相手を切り裂いたりとか、炎を一面に出す。といったことは出来ないらしい。
今スカルが出来るのは、扇風機程度の風を起こしたり、マッチ程度の火を出したりが限度らしい。
これも訓練しだいでは強化できるとのこと。俺と出会う前はサボってたからこの程度だが、今後はこっちも強化をするという。
スカルが魔法強化週間に入って、数日ぐらいだろうか?
一つの形になったらしい。
「見ててねケルト!」
スカルが集中をする。別に詠唱とかはいらないらしい。
どんな魔法か楽しみだ。
そしてスカルが魔法を発動させた。
が、特になにも起きない。吹き荒れるような風はおろか、扇風機程度もない。
なんだ?失敗か?
身構えた俺は拍子抜けになる。
「こっちだよこっち」
そんな雰囲気を察したのか、スカルは自分のひのきのぼうを見せた。
見せられたひのきのぼうには、風が渦巻いていた。
所謂エンチャント魔法ってやつか。
スカルはエンチャントしたひのきのぼうで近くのスケルトンを殴った。
思ったより派手ではなかった。ないよりマシ程度か?
威力も微妙に上がった程度ぽいな。
「あー…。うん。まだ練習中なんだ」
「でも、がんばって覚えたんだろう?凄いじゃないか。今度俺にも魔法を教えてくれよ」
「うんもちろん!ケルトならきっと覚えられるよ」
こうして、スカルの魔法披露は終わった。
スカルも頑張っているんだ。俺もがんばらなくてはな。
頑張ると決めたからには即実行。今までの弱そうなスケルトンから、武器持ちにターゲットを変える。
といっても、所詮は自我のないやつらだ。そこまで強さは変わらない。
だが、こっちは倒せば装備品をいただける。
ひのきのぼうからなまくらの剣へ変えれるのだ。
ぼろぼろでさびた剣だが、ただの棒切れなんかよりよっぽど強い。
スカルもひのきのぼうからさびた剣へチェンジをした。
問題なくエンチャント魔法も乗せれるらしい。
さて、そろそろ腕試しに強い敵と戦ってみたいな。
「なあスカル。そろそろこいつらを相手するのも飽きてこないか?」
「んー…。たしかに物足りなくなってきたかも?」
「だろ?だから、なんかこの辺に強いやつとかいないのか?」
「そうだねぇ…。この辺じゃ見て」
スカルが全てを言い切る前に、その首が落ちた。
え?
咄嗟にその場から離れる。
そして原因はすぐにわかった。
人間だ。