3話「レベリング」
よく見たらジャンルが恋愛になってたよ!
そんな予定ないよ!(修正しました)
「なぁスカル。俺らみたいな骨って戦えるのか?」
「戦えるよ?基本は人間の戦い方と同じかな?武器とか使うヤツもいたかなぁ。あ、そうそう。たまーにだけど、魔法が使えるのもいるよ。かく言う僕のその一人なんだ」
フフーンとない胸を張る。胸どころか骨しかないがね。
「なるほどな。ま、その辺はゲームと変わらないか。魔法も機会があったら練習してみるか。よし。スカル。俺は当面の予定が出来た。ちょっと修行でもしてみようと思う。」
「修行?」
「ああそうだ。ま、この先何があるかわからないからな、力を付けることは無意味じゃないと思うんだ。スカルはどうする?」
「そっかぁ。そうだね。ケルトは色んな事を考えるんだね。うん。僕もついて行っていいかな?」
「ああ。これからよろしく頼むよ」
こうして、俺とスカルは出会った。この出会いが、この世界を揺るがすきっかけになるとは、今はまだ知る由もなかった……。
さて。レベリングと決まったからには獲物探しだ。
獲物はいくらでもいる。そう。同族やその他アンデット達だ。
スカルは同族を倒すことに反対すると思っていたが、そういう事はなかった。
曰く、自我がないならばどうでもいい。とのこと。
意外とドライな性格なのかもな。
ということで、俺達は初戦の相手を探していた。
武器や防具を全く持っていない弱そうなやつを探していた。卑怯かも知れないが、自分の戦力もわからない以上まずは弱いやつから試すのがセオリーだろう。
獲物はすぐに見つかった。初戦はスカルには何もせず見てもらう事にした。
同族なため、近づいても特に攻撃されることも無い。
気は引けるが、心を鬼に。
わーん。
右腕を振りかぶる。
たーん。
少し溜める。
めーん!
右腕をつき出す。
ん?ワンタンメンの掛け声って右ストレートだっけ?
まあいいか。
俺の素人感丸出しの右ストレートが、獲物のスケルトンの顔面にヒットする。
腕や拳に痛みはない。便利な身体だ。
さて、獲物君だが一発KOとはいかない模様だ。
よろけて倒れたが、立ち上がりコチラを見てくる。
どうやら向こうも俺を敵と認識したらしく、右腕を振りかぶった。
だが、自我なないぶんか、動きがぎこちなく遅い。
難なく避け、今度は蹴りをしてみた。相手のスネ辺りを狙うローキックだ。
ふむふむ。この身体。動きも悪くないな。
次は生前は出来なかった、蹴りで頭を狙うハイキック。
ぎこちないが、何とか蹴れた。
骨しかない身体だから可動域は広いのか。
今度ブリッジとかしてみるか。エクソシストみたいになりそうだがな。
そんなこんなで、他にもガードやアッパーなど技の練習台となってもらった。
何度か練習したハイキックを出す。
うん。最初なんかより全然いい感じだ。
カーン!と骨と骨が当たる音がして、頭蓋骨が飛んでいった。
残った身体は、糸が切れたあやつり人形のように崩れ落ちた。
「ふぅ…。こんな感じか?」
「わー!ケルトって強いんだね!」
パチパチパチパチと拍手をしながらスカルは言う。
「ま、見様見真似だよ」
さて、練習台は他にも沢山いる。しばらくはこれで遊ぶとしようか。
骨の音ってなんだろ…?
スカルの拍手もパチパチ言わないよな?