23話「隊長会議」
期間あいて申し訳ない!
そんなこんなで、修行を始めてから一ヶ月くらいが経過した。
自分で言うのもなんだが、だいぶ強くなったんじゃないか?
「そろそろ頃合いか…」
「そうだシェイナ。そういえばテレパシーの件ってどうなったんだっけ?」
「……………」
…………。
忘れてたのね!
俺も忘れてたけど!!
「い、今のキミなら出来ると思うからあえてやらなかったのよ!うん!」
「いや、どうでもいいけどスカルになんて言ったんだよ」
あの時ナゾナゾを伝えていた事を今になって思い出す。
「あーくだらないよ?パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?ってだけだし」
思った以上にくだらなかった。
「気は済んだかい?さて改めて。一ヶ月間お疲れ様。でも、こっからが本番になるからね?とりあえず、君の事を皆に知らせないとだし、久しぶりに隊長会議でもするかなぁ?」
シェイナさんの悪い癖は、勝手に物事を決めて、勝手に事を進めることだと思います。
何が言いたいかと言うと、この状況はなんだ?
漆黒の鎧で統一された騎士。多分各隊の隊長だな。これが俺を含め八人。
そこに魔王シェイナを含めた九人が円卓を囲んで座っている。
一番置くにシェイナ。末席に俺が座っている。
数からして零番隊は居ないのだろう。
そうそう。一点修正が必要だな。
全員漆黒の鎧と言ったな?あれは嘘だ。
一人だけ骨が混じってる。
うん。まだ着れてないッス…。
周りから、何だこいつ?の視線が痛い…。
「さて…。皆集まったな?ではこれより隊長会議を始める。わかっていると思うが、人間共との戦争についてだ。だが、本題に入る前に新顔が増えている。皆自己紹介でもしてもらおうか」
魔王の声に視線から開放された。
ふぅ…。こいつらにとって俺なんて虫けらみたいなもんだよな…。
「一番隊のクレナイだ」
キララさんことクレナイが一言。
「二番隊。シャドウ」
鎧というより、ローブのような装備をした男が答える。
「三番隊のガイアだ!」
鎧の隙間から、鳥のような翼の生えたオラオラ系のニーチャンって感じか?
第一印象だと、すぐ死にそうなキャラって感じだ。
「四番隊?のベズとラズ」
デカイ狼に乗った幼女。
ベズで自分を指差し、ラズで狼を指差した。
不思議な雰囲気の娘だが、こんなのが隊長なら部下は苦労しそうだな…。
「五番隊のホロウだ」
本能的にこいつには恐れが現れる。
俺のようなアンデットの上位種だ。
ギロリと見られた気がするが気のせいだ。目なんてつけられてないさ。
「六番隊のアシュナよ!」
こちらもオラオラ系。ただしねーちゃん。
オラオラニーチャンよりは生存率高そうだな。
「七番隊。ライラ」
徴兵で集めたエリート中のエリート。
キザ系のにーちゃんっぽい。てかこいつ態度デカイな。
化物に囲まれた中、足組んでテーブルに足かけてるぞ?
殺されるんじゃね?
っと、俺の番か。
「あー…。八番隊のケルトだ。よろしく」
視線が痛いなチクショウ。
「七、八は徴兵での臨時隊だ。戦争後も残るかは知らないがね。さて本題だ。恐らくだが、奴らが攻めてくるのは遅くとも一ヶ月後だろう。魔の山攻略にはそれなりの準備がいるだろう。それまでは隊の強化をしろ。それとだ。人間共をそう殺すな。奴らは追い込まれると抵抗力を増す。今代の勇者も現れただろう。奴には注意しろ。慢心をした初代と二代目はそれで討たれた。敵将以外は極力殺すな。何か意見はあるかね?」
魔王様へ反論しようすると命知らずなど居ないだろうな。
誰も何も言わ…。
「皆殺しにすれば関係ないだろ?」
おおーぅ?キザ男ことライラが何か言っているぞ?
クレナイを含めた数名が今にも遅いかかりそうな雰囲気出ているぞ?
「よい。武器をしまえ。皆殺しねぇ…。もっともだ。征服するなら皆殺しが手っ取り早い。だがせぬ。話すつもりはなかったが伝えようか。この戦争仕組まれたものだと考えている。魔族でも、人間でもないやつにな。恐らくだが我々だけでは勝てぬ。その時に利用するのだ」
第三勢力だと?
初耳だ。シェイナはそこまで考えてことを進めているのか…。
「ッチ…。共闘などありえんだろ…」
「文句があるならワシを討取れ。討取れば貴様が次の魔王だ」
「わかった。覚悟しておけ」
うーん…。丸く収まったのか…?
ここまで言って隊を抜けないライラに、ここまで言われ許すというシェイナ。
何かあるのか?
「では、これで隊長会議を終了とする。皆、隊の強化に励むよう」
「ハッ!」
と言い残し、それぞれが部屋から出る。
さて、俺も自室に戻るとしよう。
どこにあるか知らないが。




