1話「骨への転生と出会い」
ん?俺はどうなったんだ?
たしかトラックにはねられて死んだはずだよな?実は生きてましたって落ちか?
にしては身体が動かん。それに目の前も真っ暗だ。
OK。これは死後の世界ってやつか。はぁ~。実際にあったんだなぁ…。
ん?いやまて、これネットとかにある異世界転生ってやつじゃないか?
俺死んだ→なぜか意識あって動けない→オレツエーできる。
完璧じゃねーか。どうやら俺の願いは叶ったらしいな。就職がうまくいく方じゃない。
自由になるほうだ。
そうと決まれば早いとここの世界に生れ落ちたいものだ。
俺は何に転生したんだろうか?無難に人か?それともモンスター系か?
にしても、生まれる前ってのはこんな窮屈なのか?
凄い圧迫感を感じる。ていうか、押し付けられてる感じだ。
腕とかまったく動かせないぞ。
腕に力を加えるが、まったく動く気はしない。
いや動いた。どうやら思いっきり力を加えれば微妙に動くらしい。
なにか重いものでも押し付けれているのか?それとも生まれる前だし筋力も落ちているのか?
まあ、考えても仕方ないしほかにやることもない。
俺は暇つぶしも込めて身体を動かすことにした。
何時間経っただろうか?もしかしたら数日かもしれない。
俺はついにこの世界に生れ落ちた。
生れ落ちたのか…?
俺は、母体から出るわけでもなく、卵から出ることなかった。
しいて言えば、父親から出たのか?
父なる大地から…。
はい。おもっきり埋まってました。そら圧迫感とか感じるよね!
土被ってたら動かせないね!
言ってても仕方がない。現状確認をしよう。
俺は 坂上 明 22歳の大学生の就活生。トラックにはねられて絶賛転生中。
周りはえーっと…。うん墓地だわ。グレイブヤードだね!
なんか思っていた転生と違うぞ…?
まああれだ。俺はどんなのに転生したんだ?人ではないことは確定だな。
そんなことを考えていると、何かが近寄ってきた。
「お!新しいのが出来てるじゃねーか!どれどれぇ?」
「うわ!骨が歩いてきた!!」
そいつの姿はゲームとかで出てくるスケルトンそのものだった。
そのスケルトンが俺を品定めするように見てくるのだ。
「おおおお!!君は知性のある固体じゃないか!いやぁ嬉しいねぇ」
そのスケルトンは馴れ馴れしく俺に構ってくる。
「ええい触るな!あっちへ行け化け物め!」
友好的だがあっちはモンスター。せっかく転生したのに殺されたら元も子もない。
俺はこの世界でオレツエーがしたいんだよ!
「化け物とはひどいじゃないか。同じ骨どうし仲良くしようぜ?」
は?骨?俺が?
なるほどなるほど。周りの風景を見る前に、自分を見るのを忘れてたね。
ハッハッハ。失策失策っと。
うわ、俺の腕白すぎ…。
どうやら俺はスケルトンへと転生したようだ。