11話「まぞくちほー」
短めです
必死に逃げた結果。
山頂部分には到達したようだ。
山火事はボヤ程度で鎮火した模様。
燃える森が逃げたおかげで燃え広がなかったようだ。
火を恐れて、アイツラは現れなくなった。
ま、結果オーライってやつか。
「なんとかなったねぇ」
「そうだな。やっぱ魔法は便利だなぁ。魔素もコントロール出来てればもう少しは楽だったろうし」
「でもケルトが思いつかなかったら多分ヤラれてたよ。ケルトは十分スゴイよ」
今はもちつもたれつの関係だが、荷物にはなりたくない。
はやく覚えなくてはな…。
「キューン…」
「ん?どうしたべロス」
火にやられないよう、革装備の中に入れていたべロスが鳴いた。
見ると、小さな火傷を負っているようだ。
「あぁ…。すまなかったな。たしか薬草があったよな?待ってろよ」
俺は奪ったアイテムポーチを開く。
えーと…。薬草はっと。
あったあった。
薬草を見つけると同時に、とあるものも見つけた。
「コンパス入ってるのかよ!!」
まあ、よく見なかった俺が悪いんだな。うん。
見つけただけ偉い。俺グッジョブ。
べロスを治療し、コンパスを頼りに進んでいく。
山頂での方角確認&コンパスのコンビは最強だ。
迷う気がしねぇ…。
むしろ迷ったら天才だと思うよ。
その後は特に目立った事は起こらず、無事に下山をはたした。
「特に変わらないんだな」
魔族領とはいえ、おどろおどろしい雰囲気などなかった。
意外と普通だ。
「なんのこと?」
「いや、こっちの話だ」
スカルにとってはこれが普通だからな。特にツッコむ必要はないだろう。
「えっとケルト。前にも言ったけど、この先は僕も知らないから案内できないんだ。ごめんね」
「いや、助かるよ。俺一人じゃここまですら来れないだろうからな」
さて、闇雲に探しても人里?魔物里?までは着けないよな。
「よし。まずは川を探そう。それに沿って歩けば何か見つかるだろう」
村とか作るなら川沿いが便利だからな。
そこは魔族も変わらないだろう。
山沿いに歩き、川を見つけたら川沿いにチェンジさせる。
その、作戦でどうだろうか?
「うん。じゃあ川を探そうか」
スカルもその作戦に同意した。
さて、早いところ見つけなくてはな。俺達はいいが、べロスに必要なものも多いだろう。
件のべロスは俺の骨を貪ってるがな。
程なくして川が見つかった。
べロスに水分補給をさせる。流石に骨では水分は取れないからな。
うーむ…。水筒とかあればいいのだがなぁ…。
さて、川も見つかり休憩も取った。
楽しい楽しい川下りのスタートだ。
この世界初の町、ないし村だ。緊張はするな。
一体どんな奴らが居るのだろうか?俺たちを受け入れてくれるのか?
そんな事を考えつつ、川下りを続けた。