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転生したら骨になってた。  作者: 亜鬼
誕生と出会い
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10話「いざ、魔族領へ」

さて、魔素の流れを識別できるようになった俺。

次に出された課題は、魔素のコントロールだ。

意図的に一箇所に溜めるようにすることで、スカルが岩を砕いたような使い方ができるらしい。

ま、力を込めるみたいなみたいなもんだろ。最初にくらべれば余裕だな。




と、思っていた時期が俺にもありました。

無理。

なんだこれ?言うことが効かない。

例えるならばなんだろうか?

使わない胸の筋肉を動かす感じとか、小指だけを動かす感じとか、そんな感じのもどかしさを感じる。

これもコツさえ掴んでしまえばコロっと出来るかもしれない。地道にやるしかないな…。


そんなこんなで歩き始めて数日。

やっと草原を抜けた。


草原を抜けた先は、森であった。


というか、山だな。うん。


「ここを抜けるのか?」


「うん。そうだよ。この山の向こうが魔族領だよ。ちなみに、この山脈は大陸を横断してて、それが領境になってるんだ」


山を境にするのはよくあることだな。

だがしかし、めんどくさいことこの上ない。

ゆうても、魔族領と人間領を行き来する奴など少ないだろうし、問題はないのだろうか。


さて皆さん。

山というのは迷いやすい。整備されていない山ならなおさらだ。

もしかすると、人間領と魔族領を繋ぐような道があったかもしれないが、残念ながら俺たちは整備されていない道を進んでいた。

何が言いたいか。

もうわかっていると思うが


「ここどこだよ…」


絶賛迷子中だった。


「ご、ごめんね。まさかこんなに道がわかんないなんて思わなくて」


「いや、スカルは悪くないよ。ま、適当に進んで抜けるのにかけるしかないさ」


別に衰弱死や餓死なんてしないんだ。

気長に進めばいい。


「とりあえず山頂を目指そう。それから進む方角を決めればいい」


無理に降りようなど考えたら思う壺だ。

まあ、元々山越えを目指してるため、降りるなんて選択肢はないがな。


にしてもさすがに山登りはつらいな…。

疲れてきたし、息が切れてきた。

ん?息が切れる?おかしくないか。

息なんてしてないだろ?そもそもなんで疲れてるんだ?


「ふぅ…。ケルト。ちょっと休憩しない?」


俺だけじゃなく、スカルも疲れているようだ。

ベロスもさっきから、俺の頭に乗って歩こうとしていない。


「いや、ここをすぐに離れよう。嫌な予感がする。できれば、山頂まで走りたい」


嫌な予感がする。

不気味に木々が揺れていた。

ここにいてはダメだ。

そう、本能が告げている。


反論をしているスカルの手を掴み、強引に走り出す。


「ど、どうしたのケルト!?急ぐ理由なんてないでしょ?」


「馬鹿。なんで俺たちスケルトンが疲れるんだよ。あそこには何か居たんだ。逃げるぞ」


「あ、そっか」


事の重大さに気づいたスカルも走り出す。

ざわざわと木々が揺れる。


一体何に襲われていたのだ?

何か結界みたいなものでもあったのか?


「ね、ねえケルト!たぶんだけど、僕たちの魔素が吸われてるんだよ。それしか考えられないよ」


スカルは前に言っていた。

魔素がなくなれば俺たちは死ぬ。

気づかなければそのまま死んでいたかもしれない。


「そうか。どうすればいいかわかるか?というか、どいつが敵かわかるか?」


言われてから気づいたが、身体の魔素がどんどん体外へ出ているのがわかる。


「えっと…。魔素を奪われないようにコントロールしてみて!敵はごめんけどわかんない。森の中じゃ視界が悪いよ…」


コントロールねぇ…。それができたら苦労しないっての。

さて、向こうからの一方的な攻撃。これは厄介だな。

こうなったら、最後の手段を使ってやろうか…?


「スカル。一個考えがある。死ぬよりマシって程度だがな。協力してくれるか?」


「え?なに?」


「たしか火の魔法使えたよな?いっそ森ごと燃やし尽くせば敵も逃げるんじゃないか?」


死ぬよりマシだが、その後なにが起こるかわからない。

最悪、人間と魔族を敵に回す可能性だったある。


「う、うーん…。できるけど、あぶなくない?」


「このままじゃ、俺たちの魔素が切れるほうが早いだろう。だったら、何もしないよりはマシじゃないか?」


「どうなってもしらないからね…?」


ライター程度の魔法が火を噴く!!

近くの木を燃やそうと、スカルは近づく。

すると、その木が逃げ出した。


俺たちを襲っていた相手は、別に隠れてなんかなかったのだ。

この森そのものが敵だったのだ。


「ええ!?逃げたよ」


「そいつが敵だ!逃げるのは厄介だな…。よしスカル。そこにある塊に火をうつせ」


逃げる相手にライターで火をつけるのは難しい。

だが、藪の塊ならどうだ?

ほら、あっという間に火がついた。

火におびえる森は逃げ出す。


「よし!俺たちも逃げるぞ。」


俺たちだけならたぶん問題はないが、ベロスや持ち物には影響が出てしまう。

山頂を目指し、俺たちは走り続けた。

山火事フォー!!

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