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 あれから三か月。

 何かが変わったのかもしれないし、何も変わっていないのかもしれない。

 けれど。

 どん!

 再び花火が上がり、長い間退屈そうに待ち侘びていた輪廻が顔を輝かせた。

「わああ! ねえねえ、すごいよ! 先生、甘ちゃん! すごいよ、すごいよ!」

「輪廻さん、さっきからすごいしか言ってないんすけど――すごいのはわかりましたから」

 大興奮の輪廻に肩を掴んで思いっきり揺らされ、甘斗はげんなりとして答えた。

 真っ暗な夜空にはこうして大輪の花が咲き、隣には誰かがいる。

「やあ、お嬢さん。夜道は暗くてかよわい女性は危険が危ないですよ? よければ、花火が終わった後で僕が送っていって差し上げましょうか?」

 と、年上の美人に話しかけている鈴代を半眼で見つめて、甘斗はため息をついた。

 たまに大いに後悔することもあるけれど、そんな日もある。

けれど、その明日はどうなるかわからない。

歩みさえ止めなければ、どうとでもなる。

たとえば。たまたま弟子に出された先で、こうして花火を楽しむこともできる。

「え、浅草の方にお家が? ちょうど良かった。あそこの界隈は僕の庭みたいなもので、良いお店を知ってるんですよ。よろしければお嬢さんも一緒にどうです? こうやって会えたのも何かの縁。そう、運命みたいなものですから」

 ともかく――

女性からこの後の予定を聞き出している師を殴って止めるべく、甘斗は茶店の席からゆっくり立ち上がった。

 



どうも。こんにちは、楽浪です。


この話が時系列上は一話に相当するものとなります。

春にやってきて、もう真夏になっています。

そういえば、前の二話分は六月ですが、この話は五月の終わりになってます。

少し時間の混乱ありますね。

もう少しで話は一段落する予定です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

また、次の話でお会いしましょう。


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