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第一話『はじまり』

 僕はまだ受験生で、ただしきっぱりと受験生とは言い切れない。

 最近の受験ではセンター試験と、二次試験を合わせて受験と言うのは知っているかだろうか?

 そして、そのときの僕はセンター試験が終わって、二次試験を後に控えている、そんなところだった。ここまでだと正真正銘の受験生なのだが、すこし事情は異なるのだ。

 僕はセンター試験で運よく合格確定と言えるほどの点数を取ってしまった、「しまった」というのもおかしな話なのだが、まあそれはどうでもいい、閑話休題。

 とにかく、そんなこんな、受験生とは程遠い僕の話はセンター試験から約一週間後から始まるわけで。

 あのときの僕はあまりに何も知らなくて、知っているはずのことも忘れていた。

 持っていたはずのものを少しでも持っていたら何か変わったのか、それは分からないし、これがゲームならファンディスクででも見てくれよ。

 それでも『俺』の話はここから話すのちょうどいいのかもしれない、まあ話したいだけ。

 それでははじめよう、昔話を。

 どうか最後までお付き合いを。

 

 昼の十一時に膨らんだ布団が一枚ある。

 部屋はガランとしていて、片付いていると言うより、物が少ないと言ったほうが正しい・部屋には布団とちゃぶ台、タンスに冷蔵庫、コンロとテレビ、後はゲームのハードくらいかい。


「ふあ〜あ」

 布団から亀のように頭を出して時計を見ると、時計の針は十時を少し過ぎたころ、僕にすれば十分に早起きだ。

 のそのそと体を起こして、なんとなく部屋を見まわすが、部屋に特に変化はない。ちゃぶ台の上で山のように積んである参考書くらいが目について、何の気なしにぼーっと眺めている。

 何冊かは封すら切られておらず、本屋で手に取ったままだ。

「ああ無駄遣いだったか」

 一人で呟いて、再び布団の上にごろんと転がって思案した。

 勉強開始にはまだ早く、大学の二次試験までまだ20日以上ある。

 それに点数から言えばまだまだ余裕がある、それに学校の勉強なんて目標なく頑張ってもしかたない。自分に目指すことがあるなら、するべきだろうが、俺にはそんなものはない。

 それなら適当に終わらせるべきだろう?

 学校の先生が否定しても、道具と目的は違うのだから、そんなことを何かの言い訳のように考えていた。

 「ふう」

 マイナスに進む思考を一度打ち切って、頭をリセットしに洗面所に向かう。

 鏡に映った自分の顔はすこしだけ不満げだったのはなぜか。

 それでも風見(かざみ) 読人(どくと)はそこにいる、当り前のことになぜか安心する。

 すこしだけ表情は緩んだとしても、やはり不満げだ。

 根本的に鏡に映るのが嫌い、人相があまりよくないのがその理由のひとつ。

 鏡に向かっていろんな表情をすれど、どうしようもない。とりあえず目つきが悪く、それがすべてを台無しにしている。

 為せば成る、好きな言葉だけど、為しても成らないこともある。自分の不満をそれだけのせいにして本当の理由から無意識に逃げた。

 部屋に戻って、ほとんど無意識の条件反射ででゲームの電源を入れた。

 最近の自分の生活は悲惨なもので、なんとなく買ったゲームを、延々と懲りずにしている。業務的に、楽しむというよりただ暇を潰すためにだらだらプレイを続ける。

 今日もその例外に漏れることはなく、時間を無駄にしていることにはとっくの昔に気づいている。


 そのうちに抗議するように腹が鳴って、時計を見るともう一時。

 いつの間にか三時間、

「このままならすぐに夜が来るかもしれないな」

 そんな馬鹿なことを考えても腹は膨れない。

 ゲームを電源を落として、冷蔵庫を開くと、中っ身は空っぽで、ポツンとあるケチャップに少しむかついた。


 選択肢が2つ。

 材料を買いに行く? 食堂に行く?

 別にどっちでもよかった。

 洗いものをするのは面倒だが、料理をするのは嫌いではないし、最悪面倒なら今日洗わずに明日に回せばいい。かといってどちらにしろ外に出るなら外で食べてきた方がいいだろう。

 少し悩んで、僕は食堂に向かう。

 ただなんとなくで、でもそれは後からみれば大きな選択だった。

初めて書いた小説はどうでしたでしょうか?

主人公のキャラクター設定も少し曖昧だったかなと反省も多いですが、いくらでも挽回していきます。続きもどんどん更新して行く予定なので、楽しみにしていてくれると幸いです。

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