第4話 温泉の街
石造りの壁に囲まれた街『アグニア』
火山に近いこともありそれほど大きな街ではないが、ライゼルドの中では温泉街として人気の街らしい。
街には中心部から水路が走っており、それに沿って円を描くように道が伸びている。そこから色々な区に分けられているようだ
壁にある門には兵士がいたが、アンジェが少し話をするととてもいい笑顔ですんなりと通してくれた。そんなザルな警備で大丈夫なのか…?と思ったがここで断られるよりはマシだ、スルーしよう。
街の入口を抜け、そのまま水路沿いの道を進んでいく。遊歩道のように木が植えられ石とレンガとで整えられたキレイな道だ。蛍光灯やネオンではなく昔のランプのような灯りが設置してあるところや街並みの違いをみると、やはりこの世界は違う世界なのだということを実感する。
アンジェは街の人からよく話しかけられては明るい感じで返事をしている。どうやらかなり人気があるようだ。
「アンジェちゃん!今日は新鮮な魚が仕入れてあるよ!よかったら買っていかないかい!」
「わふっ!ホントに!?でも先にギルドへ行かなきゃいけないからまた後で見に来るよ!」
「そいつはありがたいね!アンジェちゃん今日もカワイイからサービスしちまうよ‼」
何処かで見たことのあるテンプレのような魚屋のおっさん、ああいうのってどこにでもいるんだな…
道を進み中心部に入ったようだ。道に立ててある看板の地図を見るともうすぐまっすぐの道も終わりらしい。
するとアンジェがある建物を指差して言った。
「見えたよ‼」
アンジェは小走りで先へ行き、こちらに向けて手を振っている。
道のちょうど終わりの所に建つレンガ造りの大きな建物、表には大きな入口と白銀の牙を持つ狼が描かれた看板が掛けられている。
「ようこそ!私たちのギルド、ホワイトファングへ‼」
そう言ってアンジェは勢いよくドアを開けた
話を引き伸ばしすぎなのだろうか テンポが遅い気がする