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第1話 落下

暗い静かな夜の街。人気の無い道に青年ー水薙佑斗は倒れていた。

おそらく自分以外の人間の気配も無い道路のど真ん中で倒れながらつくづく世界は不平等だと思い知らされる。


全身を強打したせいか体が動かない。勢いよく撥ねた車はしれっと無視してそのまま逃げてしまった。

「せめて救急車くらいは呼びやがれよ…」

小さな声で呟くがそれを聞く人間はいない。

頭部からは大量の血が流れ、大きな血だまりをつくっていた。

頼みの綱のケータイも撥ねられた衝撃でお釈迦になっていていよいよどうしようもなくなっていた。


神なんてモノがいるんだったら何で、何でこんなにも不平等なんだ。

19年間と半年生きてきたが勉強も、スポーツも、人間関係もいたって平凡で何にも残すことはできなかった。


つまらない少年時代を送り、平凡な大学に行きバイトをし、夢もないままでフラフラ生きて、あげく轢き逃げされて誰にも看取られずにひっそりと死んでいく。なんてつまらない不平等な人生なんだろう。


ああ、こんなつまらない人生なんて嫌だ 他の世界で違った人生を送りたい。

そうだ、ゲームとか漫画とかみたいな世界なんて楽しそうでいいな。そこで色んなことをしながら刺激のある人生を送るんだ。


『だったら、そんな世界で生きてみる?』


ああ、そいつはいいな そんな刺激のある人生を送れるんだったら大歓迎だ。


『ノリノリねぇ。よし、じゃあ決定ね♪』


……ん?…俺は今誰と話しているんだ?見渡してみるが俺の周りには人の気配は無い、と言うか今俺声に出してないはずなんだが。死ぬ間際の幻聴か?



『それじゃあ…えいっ、ゲート解放』

「えっ」


幻聴ではなかったと思ったのと女性の軽い声で地面に空いたらしい変な色彩の穴に体が飲み込まれていくのはほぼ同時だった。体が重力に引っ張られて落ちていく。


「お、おああああああぁぁぁぁ…」


ぐにょぐにょした壁があるのかさえ分からない空間に落ちていく。全く状況が飲み込めないまま頭上に見えていた穴が閉じていくがどうしようもない。だんだんと周りも黒一色に塗られていく。


2〜3分たっただろうか。落下速度が落ちふわふわと綿毛のように降りていく。

そして倒れたまま床(真っ黒)に着地した。


『先にそのケガ治しておくわね…中級治癒魔法』


パチン、と空間に指を鳴らす音が響いた。落ちている俺の体を光が包みこんでいく。するとだんだんと体に走っていた痛みと熱が抜けて傷が塞がっていく。


「傷が治っていく…?一体何なんだ?」


疑問を口にしつつ治った体に力をいれ立ち上がる。


『治ったわね、それじゃ続いて…召喚魔法 装備召喚!』


女性の声が響くと佑斗の体を青い魔方陣が通過していく。思わず反射的に目を閉じた。


『大丈夫よ、目を開けてみて。』


声に導かれて目を開けてみるとそこには皮のライトアーマーと両手で持つタイプの大きな剣を背中に差した俺がいた。


『装備はこれくらいでいいわね。』

「ちょっと待て!俺は今からどうなるんだ?俺は死んだのか?先に説明してくれ!!」

『だから言ったじゃない、あの世界はイヤなんでしょう?だから他の世界に行かせてあげるっていってるのよ。』

「そんな突拍子もないこと信じられるか!?あんたは一体何者だ!?姿を見せてくれ!」

『それはダーメ♪ま、そのうち逢えるわよ それとコレはサービスね。』

再びパチンと音が鳴り響く。すると身体に白い光が流れ込んできた。温かくて力が湧いてくるような光、いや、本当に身体に力がみなぎっている。


『私がしてあげるのはこの位。あとは貴方の心のままに生きてみなさい。ここは自由と冒険に満ちた世界。』

「自由と、冒険に満ちた、世界…」

『そう、ここには前の世界にはないモノがたくさんあり、前の世界に無いモノがたくさんある。生かすも殺すも貴方次第よ』

「待て!せめてあんたの名前を教えてくれ!」


クスリと空間に笑いが漏れる そして

『私の名前は女神アリア。それじゃあね、若い冒険者さん♪』


その言葉と同時にーーー

黒い床に光の亀裂が走りガラスのように砕け散った。

再び重力に引かれ落下が始まる。暗闇に手を伸ばすがその手がつかむモノは何も無い。

「またかよおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

眼下に広がるのは流れる雲と森、何処までも広がる青い空、煙を吐きだし紅く染まる火山、そして空に浮かぶ二つの月。


ここは自由と冒険に満ちた世界『ライゼルド』


「おあああああああぉぉぁぁぁぁぁ…」


こうして佑斗はそのまま異世界の森の中へと落下していった。

頭ん中で考えたのを文章にしたのでご都合主義とか含めたら矛盾とかあるかもしれません。拙い文章だと思われるかもしれませんが、なにとぞよろしくお願いします。

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