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恋咲く季節  作者: 銀 歌月
第一章 うつり変わる季節
6/19

5 ヒロイン

今回は少し短いです。

「受験組の花宮花凜。勉強よりか運動が好きで部活は決まってない。どちらかというと男っぽいとこあるけど気にしないでくると助かるかな。これからよろしく」  


 少しにぎこちない笑顔だったが座る前にクラスを見渡した人物が、一瞬というには長いが1秒にも満たない間こっちを見たような気がする。

 目があったのは偶然だろうか。向こうはそんなつもりないかもしれない。

 平均よりか少し高い背丈の健康的な美少年、いや少女だ。

 ゲームと同じ亜麻色のの髪は肩にかかるかかからないかの所で揺れている。

 確かに乙女ゲームでは珍しいという、中性的な容姿だったがもっと女の子らしかった。肌は白かったし髪型はセミロング。口調だって違う気がする。

 しかし、どう見たってそこにいるのはかわいいとかきれいというよりもカッコイイという印象の少女だ。


 頭の中が混乱する。

 確信のない考えが堂々巡りで頭の中を支配していく。


 なんで、今まででゲームと違うところは私が小春悠斗の妹ではないこと。これは私が両親の離婚を阻止したから。

 その延長で小春結愛は問題生ではなく、ただの成績がいいだけの生徒。あと、暁の性格も少し変わっているし、ゲームではサッカー部の副キャプテンではなかった。

 ここまでは全て私が関与したことだ。だから理解も納得もできる。

 では、あのフランス人と日本人のクウォーターの梅霖シリルは?

 あんな人私が覚えている限りゲームには出てこなかった。攻略キャラにもってこいの性格と容姿なのに。しかし、彼まだいい。私の記憶にないだけでいたかもしれないから。今世ではともかく前世の自分の記憶をそこまで信用しているわけではない。もう、忘れていることだって多いはずだ。


 そしたら、ヒロインは?

 さすがにヒロインはよく覚えている。誰にでもまっすぐで、人を疑うことを知らないんじゃないかというレベルのお人よし。やさしくて凛としていて気づいたら近くにいる。そんな性格だったはずだ。

 私なんかとは全然違う。太陽みたいなひと。

 今はまだ、性格まで分からないが容姿は面影は残っているが全然違う。


 あれ……私がしたこと全部無駄だったのかな。

 初めからすべて勘違いでここはゲームの世界ではなくて、たとえ何もしなくても両親は離婚もしなかったかもしれない。

 でも、名前は一緒だし面影もある。他にも似ていることがある過ぎる。

 それとも、すべて私の妄想?

 それじゃあ、クラスとか名前とか知っていることが説明できない。偶然だとしてもありえないだろう。

 でもそしたら、何も心配しなくてよかったのに。


 もしかして…彼女も転生者?

 私だってそうだし、ありえないことはない。一番説明がしやすい。

 どうしようか。もしそうだとしたら、小春結愛がゲームと違うことに気付いているはずだ。目を付けられたかもしれない。まあ、あの口調が演技ではなかったら違うと思うが。


 たとえそうだとしても、仕方ないか。

 これは私の行動が招いた結果だ。私は責任を取る必要がある。

 それに私は何も悪いことほしていない。


 今までもこれから先も、私のすることは変わらなし、変えるつもりもない。


 私には関係ない。関わるつもりもないし、人の恋模様を高見から眺めようとも思わない。

 つまり、私はただのクラスメートの1人。たくさんいる物語のエキストラ。


 真実がどうだろうと、関係ないのだ。

 少し心配はあるがどうしようもないし。


 恋の花はあなたたちで勝手に咲かせてください。私に関係がないところで私が気づかないうちに。

 願わくば、私に関係ないところで物語が進みますように。高望みはしない。ただ、何もなければいいのだ。

 そう、それだけ。私の望みはたったそれだけなのだ。

 普段は信じてないが神様にでも願っておこうかな。

 今夜は星がきれいに見えるといっていた。それで歌でも歌おう。星に願いを込めて。これは、前世から続けている私なりのおまじないだ。歌うことは好きだった。上手いか下手かは置いといてよく歌っていた。今ではもう時々しか歌わなくなったが前世では星を見るたびに歌ったものだ。気が付いたら癖になっていて、存在するかどうかも分からない神様に願うより、そこに見える星に祈った方が私には合うのだろう。


 どうか、無事何もなく卒業できますように。

結愛はあきらめの早い性格です。

開き直りました。

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