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恋咲く季節  作者: 銀 歌月
第一章 うつり変わる季節
14/19

13 ニアミス

遅くなってすいません。

しかも短いです。

特にこれといった理由はないんですがなかなか書く機会がなくこうなってしまいました。

待っていてくれた皆さんに精一杯の感謝を

 

 パチパチパチパチ


 周りから聞こえてくる拍手の音に緊張感が解けて思わず頬が緩む。


「すごい! すごいわ2人とも! どうせならもっと感動ストーリーにすればよかった。シリル君は最初からすごいの分かってたけど、あなたもすごくよかったわ。なんていうか演技してますって感じがなくて自然だった」

 最初に話しかけてきた先輩が手を握って近づいてくる。つい後ろに下がってしまう。あれ、もっと落ち着いた先輩だと思ったんだけど。今目の前にいるテンションが高い人は誰ですか。


「部長。はしゃぎすぎです。ゆあちゃんが困ってます」

 そういってさりげなく間に入ってくれたのは梅霖くんだ。なんとなくさすがだなって思う。

 周りは楽しそうに話していたり私たちをほめてくれたリ。気のいい人たちだな。新入生の梅林くん狙いの女子もあの怖い視線ももうない。


 それよりもこのままここにいたら他をまわる時間が無くなる。それにこの流れは演劇部入部になってしまうかもしれないから早く逃げよう。少し距離をとって話す。

「私がすごいんじゃなくて梅霖くんの教え方と演技がすごいんですよ。私はそれに引きずられただけです」


 実際に一緒にしていて思ったことだ。嘘ではない。真剣にするつもりだったが本気でするつもりはなかった。身もふたもない言い方をすれば手を抜くつもりでいた。もし全力でして勧誘がしつこくなったら大変だ。線引きは真剣に取り組むけどそれなりの演技しかしない。そこだった。なのに練習していたらいつの間にか本気とまではいかないけど線引きしたラインを越えていた。

 引き込まれたのは私が悪い。

 だからこれ以上深く関わったらいけない。幸い名乗ってはいないし先輩の名前も知らない。名前ぐらいすぐに割れるだろうけど私が知らないことが重要だ。


「そんなことないよ。ゆあちゃんがすごかったんだよ」

 梅霖くんが答えるが首を振って否定する。

「私だけならあんなふうにできなかったよ」

 これは正直な気持ちだ。1人ではあの劇はできなかった。

「私は他の部活見るからもう行くね。次はほかの子にも教えてあげたら? 梅霖くんが教えるの上手かったし。それじゃあ、先輩方もありがとうございました」


 何か言われる前に廊下に出る。一言余計だったかもしれないがあれは反撃ということで。ほら、女子も喜んでいるしいいよね。案の定女子につかまった梅霖くんは何か言いたそうにした。しかし先に先輩が話しかけてきたので何も言わなかった。


「あなた演劇部に入らない? 無理にとは言えないけど考えてみてね」

「はい。考えときます。今日はありがとうございました」

 最後に頭を下げてからドアを閉める。

 以外にもすっきりとした挨拶だった。勧誘は杞憂だったかな。まあ、念には念を入れといたほうがいいことには変わりない。


 結構時間をとってしまった。これからどうしようか。ひとまず2階に行こう。

 階段を上ろうとしたら誰かとぶつかりそうになる。階段から降りてきたようで廊下を歩いてた私も降りてきた相手も死角になっていたためどちらかが悪いわけではない。しかし、一応謝っておく。


「すいません」

「こっちこそわりぃ」


 短い会話を済ませ何事もないように階段を上る。しかし内心、相手を見て驚いていた。

 攻略キャラの秋月耀あきづきよう。同じクラスの秋月蓮の双子の弟でバスケ部期待の新人。ぶつかる前に止まれた反射神経に納得だ。少し長めの黒髪を後ろで結んでいて兄とは違うタイプのイケメンである。双子なのにあまり似ていない。どちらかといえばチャラかったと思う。多分だけど。

 まさかニアミスしてしまうとは。何気に中等部も一緒だったが話すことはなかった。まあ、私が避けていたというのが理由だが。



 階段を上りきる前に思考を片付ける。攻略キャラのことなんて考えてもいいことはないだろう。


 それよりも2階を見て回る。手芸部、合唱部、美術部、コンピューター部となっている。手芸部と合唱部はほぼ何もなく終わった。美術部の時は江梨香と知り合いの先輩と少し話したぐらいだ。コンピューター部は興味はあるのだが機械音痴な私には荷が重すぎる。よって親切に説明してくれた先輩には悪いが早めに退散させてもらった。こんな感じで2階の部活はあっさりと制覇した。







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