0 プロローグ
短編から変わった点があります。
基本は同じつもりですがいくつか変更させていただきました。
初めて読む方も、短編を読んでくれた方も開いていただきありがとうございます。
恋の花が咲く季節は誰にも分からない。
私立の桜坂学園。日本でも知る人ぞ知る桜並木の坂道が有名でそれ以上に文武両道を掲げる学園はスポーツにおいても、勉強においてもトップレベルを誇る超名門高である。また、白と黒のモノトーンカラーを基調にした制服に学年を表す色のネクタイが映える、デザイン性の高い制服も人気の一つだ。
そんな、あこがれの学園に高等部から通えることになった少女がいる。桜並木の坂道で、期待と不安を胸にあなた(ヒロイン)の物語が始まる…
そんな言葉と綺麗な桜吹雪の映像から始まるゲームがある。
『恋咲く季節』通称、恋サク。
桜坂学園に高等部から入学してくるヒロインと名前に春、夏、秋、冬のつく攻略キャラたちが、悩みを解決したり部活や勉学に励んだりしながら仲良くなっていちゃいちゃする、所謂乙女ゲームだ。
しかし、普通の乙女ゲームとは違い逆ハールートがない。
その上、一回のプレイで親密になれるのは1人だけ。他のキャラとは良くて友達までしかなれないという、純愛なゲームだ。
何でも制作者の一人が「いくら、現実ではありえない乙女の夢だからと言ってここまで甘すぎるのはやりすぎだろう。気づかないなんて鈍感すぎる。ヒロインが選択肢選んでる時点でもてあそんでるとしか思えない」と力説したことにより開発されたゲームだと噂があった。
一部には批判を受けたが、丁寧なストーリーはボリューム満点でしかも家族愛や友情、スポーツに励む姿は時に涙を流す人もいたいうほどの感動ものだったり、時に爽快だったり。甘くも苦い恋の物語を紡ぎだしている。
その上、高画質なオープニングや主要場面のムービー。綺麗なグラフィック、豪華声優陣など様々な分野から注目を集めて乙女ゲームらしからぬストーリーと相まって女子だけでなく一部の男子などが、感動ストーリーを見るために買った人もいると言われている。ある意味ゲーム界を騒がせていた。
そして、私が唯一した乙女ゲームでもある。
私が普段しないシミュレーションにまで手を出したのは好きな声優が出ていたからである。しかし、肌に合わないというか、やると疲れてしまい全キャラクリアしたわけではないが。
もう、2年ぐらい前のゲームだったが最初で最後の乙女ゲームであり、あの印象深いストーリーは今でも忘れられないものがいくつか残っている。