プロローグ
どうも初めましてになりますね。
初めて小説を書かせていただきます、あじゃと言うものです。
小説家になりたいと考えているので、辛口な評価を待っております。
誤字脱字、文章の甘さなど、読んでいて少しでも気になった点を教えていただければ幸いです。
では、どうぞ本編へ!
プロローグ
目を覚ますと目の前が暗くなっていた。
天井は黒いし凄く近く感じる。
周りも暗いしなんだか体の周りにはふさふさした物が敷き詰められてる。
ほんのりと甘い香りもするから花だと思う。
でも俺は花に囲まれるどころかこんなに暗くて狭い部屋で寝た記憶がない。
第一にさっきまで家で買ってきたラノベを読んでいたはずなのだ。
とりあえず、このままじっとしていても仕方がないので俺は動き出すことにした。
しかし、暗くて分からなかったが壁らしきものがあって俺はうまく動けずにいる。
「く、くそっ!」
どうしようもないのでジタバタしてみると目の前から一筋の光が出てきた。
……どうやら普通に開くようだ。
少しさっきまでの自分が恥ずかしくなったのはここだけの秘密。
天井を持ち上げてずらすと天井の隙間から差し込んできた光で思わず目がくらむ。
しばらくして段々と明るさにも慣れてきて視界が回復してきたので、そっとずらして上半身を起こすと、そこは森の中の広場のような場所であった。
外に出ると、とりあえず自分が入っていた箱を見る。
箱は黒くコーティングされており、蓋には白い龍が描かれていた。
箱の中には色とりどりの花が飾られていて、まるで 棺桶のような感じ……
(いや……まるでとかじゃなくて普通に棺桶だな)
もちろん俺は死んでもいないし、ドラキュラみたいに棺桶で寝る趣味もない。
しばらく悩んでいると後ろの森の方から巨大な何かが倒れる音がした。
なんだろうか?
ジッと見つめているとそこからは―――――――――――
「GiGiGiGiGiGiGiGiGi」
「……おぅふ」
そこからは巨大な―――目測で3メートルぐらいだろうか?―――黒い蜘蛛が木々を薙ぎ倒しながら現れた。
「■ ■ ■ ■ ■ ■ ■!」
人間の俺には理解できない怒声のような声とともに俺に向かってその丸太のような足を振るってきた。
「うぉぉぉおおおおおおおおお!」
全力で横に飛んで回避すると同時に轟音が森の中に響く。
轟音がした方を見ると一瞬まで立っていた場所には小規模のクレーターができていた。
その光景に驚く暇もなく黒い蜘蛛は追撃を加えてくる、横たわっていた俺は直撃だけは避けるべく転がって回避する。
だがしかし、直撃こそ回避したものの地面を砕いた衝撃で俺はさらに遠くに吹き飛ばされてしまう。
「ぐわぁぁぁああああああ!」
ゴロゴロと転がり、なにか硬いものに当たって止まることができた。
「Grrrrrrr」
またもや背筋に寒気が走る。その直感に従って俺は体全体を使って力の限り跳ぶ。
それと同時に俺の体に強烈な衝撃が襲ってきた。
もはや声すらも出せずに俺は岩に叩きつけられた。
「ぅ……うぅ……」
なにが起こったかわからない俺は顔をあげる、そこには先ほどの蜘蛛と同じような大猿が居た。
大猿は口から涎を垂らしながら俺に近寄ってくる。
本能が警告している、「アレは俺を食う気だ」と。
動きたくても岩に叩きつけられた痛みでうまく体が動かない、まさに絶体絶命だ。
ゆったりと迫る大猿を睨みつけて俺は思う。
なんだよ、これは?
俺はさっきまで普通に家でゲームをしていただけの高校生なんだぞ?
それが突然、気がついたら棺桶の中で寝かされていて、大蜘蛛や大猿に命を狙われている。もしかしてこれは夢なのではないのかとすら疑ってしまう。でもこの身を貫く痛みが嫌でもこれが現実だと教えてくれる。
―――――――そう俺は今まさに死にかけているのだ。
全身の傷が俺に教えてくる。ゲームでもない、妄想でもない、夢でもない……正真正銘、現実で俺は死にかけている。
これでもしも俺が何かの漫画や小説の主人公だったりしたら眠っていた力が目覚めて目の前の危機を脱することができたのだろう。
だけど俺には残念なことにそんな力はない。
体が動かない状況でどうすることもできるはずがなく、ただただ俺はゆったりと迫ってくる大猿のことを睨み続けることしかできない。
このまま俺は死んでしまうのか。そう思うことしかできなかったが神様という存在はまだ俺のことを見放してはいなかったようだ。
「■ ■ ■ ■ ■ ■ ■!」
「■ ■ ■ ■ ■ ■ ■!」
突如として現れた大蜘蛛が大猿へと襲いかかった。
自然と襲われた大猿は反撃をしてそのまま両者は戦いだした。
「うわぁっ!」
その戦いの余波で俺は三度吹き飛ばされてしまう。
吹き飛ばされた俺は急斜面に出てしまい転げ落ちる。
世界が数十回は回った頃、ようやく俺は止まることができた。
ボロボロな体になってしまった体は先程から動いてくれはしない。
「キュゥゥゥ……」
鳴き声がした、また何か来たのかと思って俯せの状態から顔だけを上げる。
見上げた先には俺と同じようにボロボロになっている白いトカゲが倒れていた。
「いや、こいつトカゲか?」
さっきの二匹もそうなのだがこのトカゲもデカイ
流石にあいつら並の大きさではないのだが、それでもこいつは中型犬並の大きさはある。
子供かなにかなのだろうか?
なんにせよ俺と同じように決して軽くはない怪我をしているみたいだ。
不意にトカゲと目が合った。
そしてどちらからではなく自然と互いに這いずりながら近寄りだしていた。
もしかしたらコイツも危険なやつなのかもしれない――――――なんてことはこの時は微塵も思いつかなかった。あとに振り返ってもわからないが、この時はただコイツに引き寄せられていたかのように近寄っていった。
「……お前、死にかけじゃねぇかよ」
「……キュゥ」
それはお互い様だと言っているように聞こえた。
互いに仰向けになり空を見上げる。
見上げた空は憎たらしいほどの澄み切った青だった。
あぁ、なんていい天気なんだ。
あんな目に合っていたのに空はいつものように青い。
近くからは恐らくは先ほどの二匹が戦っているであろう声と木々が倒れる音がしている。
「なぁ、お前さ。まだ歩ける力はあるか?」
「キュゥ」
これは肯定と取っていいのだろうか?
「よし、じゃあなんとか二人でこの森を抜けないか?」
ここに居たらあの戦いに巻き込まれなかったにしろ他の獣に食い殺されるだけだ。
トカゲはしばらく考える素振りを見せたが最終的には立ち上がり、俺と共に歩き出すのであった。
それから色々なことがあった。
他の獣たちに襲われ、火事場のクソ力というやつでなんとか逃げ切ったり、逃げてる途中で転んでまたもや坂道を転げ落ちたりした。その他にも様々なことがあり、現在俺たちはなんとか森の出口をこの目で捉えることができた。
「あ、あぁ……出口だ!」
「キュゥウ!」
思わず泣きそうになってしまった。
フラフラとしつつも森を抜ける、抜けた先にあったものとは――――――――
「……お城?」
お城だ、しかもかなりでかい。見方によっては宮殿とも見えるかもしれない。
しかも見たところ、生活している雰囲気がある。
誰か人を探そうとしたが、どうにも身体と精神が限界のようなので城壁に寄りかかり座り込む。
「キュクルゥ」
「ん?」
心配してくれたのかトカゲが俺の膝のところに乗ってきて手の傷を舐めてくれている。
血を吸っているからそれで体力を回復しに来ているだけかもしれないのだがこの際だ、気にしないでおこう。
気がつけば辺は暗くなっており、空を見上げると昼の澄んだ青さとは打って変わって漆黒の空に光り輝く月と満天の星空が広がっていた。
「今日はありがとうな、相棒」
血を吸い終わったらしい相棒の頭を撫でてやる。
「ちくしょう……すげぇ綺麗な空だな」
「キュゥ……」
再び俺たちは空を見上げ呟いた。
「ん?」
すると視界に城の窓からロープが放り出されるところを目撃した。
「おいおい危ないぞ、あの嬢ちゃん」
夜の闇に隠れて姿はよく見えないが、恐らくは女性だろうそのロープを伝って手馴れた様子で懸直下降してくる女性がいた。
三階ぐらいの高さからスイスイと降りてきた少女は地面に足をつけるとすごくやりきった顔で額の汗を拭くと
「ふっ、流石にアイツらも窓から降りるとは想像もしてないでしょうね、ん?」
雲が晴れて徐々に月明かりで闇夜に隠れていた女性の姿がはっきりと見えてきた。
赤い、まるでこの身から流れ出る血のような紅、腰の辺りまである真紅の髪は月明かりに照らされ煌き、まるで本当に燃えているかのようにさえ感じさせられる。
「酷い怪我ね、森で襲われたのかしら?」
その少女は俺のそばにまで寄ってきて顔を撫でる。
「あなた、どうやら異世界人のようね。ふふふ、そうだわ。良いことを思いついた」
悪戯を思いついた少年のように微笑んだ少女は俺の首元に手を添えて―――――――
「あなたは今日から私の奴隷よ」
「っ!?」
突然として首元に尋常じゃない熱が発生し、疲労が溜まっていた俺は意識を簡単に手放してしまったのだった。
いかがでしたでしょうか?
と言っても、まだプロローグだけなので話はよく分からないですよね。
一応ですが、この作品はバトル物にしようかと考えています。
投稿に関してなのですが、不定期更新……と言いましても一日に数話投稿する時もあります。
最低でも週に一回のペースで更新したいと考えています。
長くなりましたが、最後まで読んでいただいた方、そうでない方どうもありがとうございました。
コメントをお待ちしております。