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地獄の始まり

別にあの子のことは何も思ってなかった。一生関わらないし、考えたこともなかったのに。少し私より、いい子なだけ。比べられる必要もなかったはずなのに。

一生それでよかったのに。


奏『なんで…。』


お母さん『大丈夫よ、愛情が一つ増えるだけだから』


ここが地獄の始まりだった。




桜が散る頃。私ももう中学3年生。


綾『おはよー、同クラだったよー』


ネタバレすんなよと思いつつ、親友かつ幼馴染である綾が一緒なら心強い。

もう一年生の時のように孤立するのはごめんだ。


奏『まぁ、それならよかったよ、、、』


新学期。緊張しながらも門をくぐる。


綾『なんか、学校一の美少女も5組だったー』


奏『ふーん?見たことないかも』


それはすごくどうでもいい世間話だった。関係がないし、綾がどう思おうと

それは綾の勝手だ。


モブ『やっぱ実さんはオーラが違うよね!』


モブ『ほんとに可愛い!』


確かに美人だった。けど、きっと私と仲良くなんてならないし。

一生関わらない人だと思っていたし。あの時が来なければ、ずっとそう思っていたと思う、





お母さん『奏…、ママね、、再婚するの、』


奏『…え???』


私は固まった。訳が分からなかったから


お母さん『ごめんね、急で。奏もママと二人暮らしより楽しいはずよ』


奏『私今で満足してる!!!』


これは考えるよりも先に出た。嘘は言ってない。


ピンポーン


インターホンが響いた。


お母さん『来たみたいだから、ちゃんと挨拶してね、新しいパパと、実ちゃんに。』


…え?実??




ガチャ


ドアを開けると夕陽が差し込んだ。



実『初めまして。お母さん!』



そこにはみんなが認める美少女が立っていた。



お母さん『可愛い〜!やっぱオーラがあるわね!』


モブと同じ言葉なはずなのに、重みが違う。

こんなのママじゃない。やめて、やめて、、、



お母さん『ほら!奏も挨拶して!』


奏『…や、だ。』


お母さん『奏…!!』


お母さんは怒ってる。トーンでわかる。


実『いいよ。私何かしちゃったかな…?』


私の顔を覗き込む色素が薄い大きな目。

うざい。消えろ。しね。

自分がこんなにも性格が悪いとは思っていなかった、


新しいお父さん『はは、人見知りなんだろうね』


そう言って笑う。

人見知り…?そんな一言で済まされない。勝手に再婚することにして、

私の意見なんて聞いてくれなかったじゃん。


お母さん『はぁ、、ごめんなさいね実ちゃん。奏はママとみっちり話すから。

      明日また来てね、実ちゃんの部屋も作らなきゃね、』



作らなくていいよ、と、喉まででかかったのに、やめた。



ガチャリ



手を振りながらドアを閉めたママは振り返ってこちらを睨んだ、


お母さん『奏、なんでそんな顔をするの?』

 

奏『あの子と家族になんてなりたくない…』


お母さん『どうして?』


奏『だって、今のままでも楽しいじゃん。しかも、あの子が来たら、きっとあの子の

   方が出来が良くて可愛くて、ママが取られるのは嫌だ。』



これくらいしか言えない。

中学3年生にしてはよく本音を伝えられたなと思う。なのに、



お母さん『違う。元から1だったものが2になるだけ。減らないよ』


お母さん『あ、あと、あなたの隣の空き部屋、実ちゃんの部屋になるから、』


奏『え?』


待って待って、本当に却下。

私仲良くしたくないって言ったよね?


お母さん『実ちゃん今年から同じクラスでしょう?』


奏『私があの子にいじめられてるって言ったら?、』



もちろん嘘だ。元から話したこともない子だもの。

でも、嫌だったから嘘をついた。



お母さん『実ちゃんはそんなことしない子よ。同じクラスになったのも今日初めて

       じゃない。』




お母さんは去って行った。





Xを開き、ポストをした。


  "本当に嫌い。"


それだけ書いたって、誰もわかるはずがないのに、そう書いた。

私が寝た頃、返信が来たようだ。



  "わかるよ"


      と、








朝、私はあの返信が気になっていた。あれは何に対しての同意だったのだろうか。


綾『おはよー、って死んでる?』


私はきっとひどい顔をしていたと思う。だって、昨日あんなショックなことがあって、

お母さんとは口も聞いていない。

今日から実とその父がこっちに住むらしい、あぁ、やだなぁ。


奏『ううん、なんでもない、』


綾『そうそう!あとね!私学校一のマドンナと仲良くなれたの!!』


奏『え?』



そう言って綾が引っ張り出してきた人物を前に、空いた口が塞がらなかった。



実『…!奏ちゃん!!』


そう言って心のこもっていない笑顔で私に近づく。


綾『えー!何々いつのまに仲良くなったのー!』



そういうこと、聞かないでほしかったな。

嫌だった。


実『ううん、私は奏ちゃんとしまいになったの!』


そう言ってピースを作り微笑む。

みんなが驚いていた。


ほらね?だからやめろって言ったの。私は極力目立ちたくないし、

実と並べられたくない。なのに、


綾は事情を察したのか、深掘りをしなかった。





放課後、桜が散った決して美しいと言えない木の間を通り過ぎていく。


そしたら、ねぇ、と、聞いたことのある声が後ろからした。

振り返るとそこには、クラスの別に話したこともない男の子が立っていた。


モブ『これを受け取って欲しくて、』


と、私に渡してきた手紙。

告白だとすぐにわかった。

この人のことはなんとも思っていなかったけど、好きだと言われて

嫌に感じる人はいないだろう。振るのだが。


奏『うん、ありが『実さんに渡してください!!』


あー、やっぱそういうかんじだよね、


奏『うん。』


どうせ実もOKしないだろう。と思い、

イライラした私は、川にその手紙を捨てて家に帰った。


奏『ただいまー』


返事がない。

リビングを開けると私の嫌いな匂いが走った。


見てみると、お母さんがハンバーグを作っている。


奏『待って!私がハンバーグ嫌いなの知ってるよね?!』


私は珍しいがハンバーグがあまり好きではない。


お母さん『実ちゃんの好物なんだって、好き嫌いせず食べなさい。』


前は、私だけのことを考えて作ってたから、

そんなこと言わなかったのに。


奏『…わかった』


ちゃんと言えばよかったのに、言わなかった。



部屋に戻り、Xを開いた。

また、悪口を書き込めば、怒りがおさまると思ったから。

辛くなるだけなのに。



ピンポーン


このチャイムの音は、

私にとって苦痛のおとでしかないことはわかってる。


実『お邪魔しまーす』


ほら、私の居場所なんて、ネットしかないでしょ?

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