闇取引を行うやつ
「以上でよろしいでしょうか? お待ちくださーい」
注文を終えた俺たちは無敵だ。そんな顔をする彼に俺は微笑み、言葉をかける。
「最近何か面白いことあった?」
「大きな声じゃ言えないんだけどさ、売りました」
「何を?」
「血」
「いきなりだな! どんな状況!?」
「その日の食料欲しさについ」
「結構軽い動機! てか売れるんだな」
「駅前とかでみんなやってるけどね」
「みんなは嘘じゃない!? 親にゲーム買ってもらうときの嘘じゃない!?」
「クラスでやってないのお前だけだよ?」
「だとしたらクラスが終わってるな!」
「終わりって始まりだからさ」
「無駄! よさげな雰囲気出しても無駄!」
「それが誰かのためになるならいいかなって」
「そうだけど! 血の売買は犯罪だから!」
「それが誰かのためになるならいいかなって」
「よくないって話したよね!?」
「もしお菓子をもらえるとしたら?」
「内容によって考える……わけないよね!」
「ジュースもつくとしたら?」
「結構いい……わけないよね!」
「逮捕されるとしたら?」
「それならいい……わけないよね!」
「実際は献血で逮捕されるなんてないけどな」
「売ってないじゃん! いいやつなんだね!」
「若干体調悪くなったけどな。抜かれ過ぎて倒れてる人もいたわ」
「チーズのないピザ! 自分の健康を害するほど他人気にしてる場合じゃない!」
「ちなみにクラスでやってないのお前だけって話はどうする?」
「気まずいね! なんで誘ってくれなかったんだろうね!」
「お前だけ参加してないグループでもあるんじゃない?」
「陰湿! 確定させないその言い方がより陰湿!」
「そんなわけないじゃん」
「信じていいんだよね?」
「まあ冗談なんですけども」
「どこが!? てかどこから!?」
「売ってはないよね。血」
「それは知ってる! 今気になってるのはそこじゃない!」
「明日雨降るらしいよ」
「ありがたいけども! どうでもいいって気持ちもあるね!」
「お前が参加してなかったら俺も誘われてないだろ」
「それは悲しいね! でもちょっと嬉しいね!」
「お待たせしましたー。マグロのお刺身ですー」
「この傷は輸血必要だな」
「何型なんだろうな。こいつ」
こうして俺の待ち時間は消えてしまった。
てか、この飯うま。帰ったらレビュー書こ。
誰に何と言われようとサーモンって美味しいんですよね!
次回投稿は1/14(水)7:00を予定していますよ。




