種を植えてみるやつ
「以上でよろしいでしょうか?お待ちくださーい」
注文を終えた俺たちは無敵だ。そんな顔をする彼に俺は微笑み、言葉をかける。
「最近何か面白いことあった?」
「種植えてみたんだよね。新しいことしようと思って」
「いいじゃん。なんの種?」
「柿の種」
「そのまま食べるやつ!普通の思考なら速攻食べるやつ!」
「確かに育つまで時間かかるけどさ」
「そこじゃない!速攻の意味はそこにかかってない!」
「そんなすぐ育つの?」
「育たないのはあってるけど!柿の種植えるって思考がおかしいって話な!」
「種って大体植えるだろ」
「そうだね!植えるね!この話はここでおしまいだね!」
「明日の天気だけどさあ」
「おしまいなわけないじゃん!てか、その種育つ前に腐るわ!……腐るのか?」
「腐ったら発芽しないだろ」
「腐らなくても発芽しないだろ!」
「発芽はするだろ。種子なんだから」
「種子?」
「念のために言っとくと植物の種な」
「そっちかい!」
「お菓子は土に植えません」
「はい」
「普通の思考なら間違えません」
「はい」
「育ったら食べる?」
「はい」
「ここお前のおごりな」
「はい。……なわけねーだろ!」
「ちなみに校庭に植えた」
「ちなむな!それ重罪だろ!」
「逮捕の可能性は低いだろ?」
「可能性作る必要ないよね!?家のチャイム鳴る度に震えとけ!」
「育ったら学校の名物になるかなって」
「柿の木の下で告白したら……みたいな噂たちそうだけど!」
「お前告白してこいよ」
「木が育つまでには卒業してる!卒業してなかったらたぶん浮いてる!クラスで!」
「育つまで八年って言うからな。普通に成人してんじゃん」
「小学生の中に高校生が混じる感覚!さすがに気まずい!」
「学校の名物だからって学生が使う必要もないか」
「学生だから意味があるんだろ!大人がぞろぞろ来て告白しても不法侵入なだけ!」
「逮捕の可能性は低いだろ?」
「可能性作る必要ないよね!」
「告白成功するならいいじゃん」
「牢獄にいるけど!?いちゃつけない告白の成功とかチーズのないピザだろ!」
「お待たせしましたー。柿のスフレですー」
「そんなこんなで育ったものがこれ」
「もう八年が過ぎた!?」
こうして俺の待ち時間は消えてしまった。
てか、この飯うま。帰ったらレビュー書こ。
なんでもいいから果物食べたい。




