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96. 西城壁戦闘

鳥たちが飛び立つその光景が、城壁に向かってゆっくりと近づくにつれ、イヒョンの胸の中で鼓動がますます激しく鳴り響いた。森から城壁までの間の空気が、緊張に染まったようだった。


少し後、森の端でざわめきが起き始めた。


木の枝がガサガサと揺れ、暗い影がゆっくりと姿を現した。


百人ほどの集団が、よろめきながら前に進み出てきた。


彼らの歩き方は奇妙だった。まるで糸に吊られた操り人形のように、生命力が感じられない動きが、風に揺れる人形を連想させた。


城壁の上から敵の出現を告げる喇叭の音が、長く鋭く広がっていった。


「本当に…奴らがいたんですね。でも、あいつらの動きが…何かおかしいです。普通の敵とは違いますよ。」


イヒョンの言葉に、ラマンは何かがおかしいという表情で敵たちを注視していた。


「確かにそうですな。報告では彼らの状態がおかしいと言われていましたが、ここまでとは思いませんでした。あんなに遅い速度で近づいてくるなんて、弓士たちの標的にぴったりです。今のところ、矢の雨だけで制圧できそうですが…それでも何か気味が悪いので、最悪の事態に備えなければなりません。」


ラマンは後ろを振り返り、部下たちに向かって力強く叫んだ。


「弓士!」


城壁の上に一列に並んだ弓士たちが、一斉に答えた。


「戦闘準備完了!」


イヒョンがラマンを眺めながら尋ねた。彼の声には少しの不安が滲んでいた。


「ベルティモは…到着したでしょうか?作戦通り、後ろから叩きに出てくるんですよね?」


ラマンが頷いた。彼の口調には確信が宿っていた。


「ベルティモ隊長なら、すでに敵の隙を狙っているはずです。私たちがまず弓で牽制すれば、その隙を突いて奇襲するでしょう。」


敵たちが城壁に向かってゆっくりと前進するにつれ、ラマンの表情がますます鋭くなった。


彼は城壁の上から城門の後ろに整列した兵士たちを一瞥し、深く息を吸い込んだ。


剣を高く掲げ、声を整えたラマンが兵士たちに向かって叫んだ。


「エセンビアの勇者たちよ!バセテロンの盾であり槍である者たちよ!」


ラマンの声が城壁を満たし、反響した。風が彼の旗を激しく翻し、兵士たちの視線が一か所に集まった。


「今日、私たちは単なる戦いのためにここに立っているのではない。私たちの故郷、私たちの血族、私たちの住処を守るために、この場に立っているのだ!」


兵士たちの間でざわめきが一瞬で収まった。


ラマンの視線が一人一人を掠め、彼らの瞳を直視した。


「あいつらはこれまで見たことのない、今の種類の敵だ。しかし!」


彼は言葉を切り、剣を空高く掲げ上げた。陽光が刀身に当たり、眩しい光を放った。


「私たちの槍と剣、そして私たちの不屈の精神が彼らを踏み潰すだろう!」


ラマンの副官の一人が盾を強く叩きながら叫んだ。


「勝利のために!」


その叫びに仲間たちが加わり、力強い喊声が爆発した。


ラマンが口元に微笑を浮かべ、言葉を続けた。彼の口調に炎のような熱気が燃え上がった。


「私たちは決して一人ではない。敵はこの都市の中に一歩も踏み入れさせない!」


ラマンが言葉を終え、兵士たちをもう一度見回した。彼の眼差しには、彼らに対する深い信頼と誇らしさが満ちていた。空気が振動するようなその瞬間、城壁全体が一つに結ばれる気配が感じられた。


「私たちの血統と努力がこの大地を守ってきた。今日も私たちは必ず勝つ!私たちの栄光と不屈の気概をこの地に永遠に刻みつけよう!」


「勝利のために!」


兵士たちが一斉に叫んだ。その喊声が城壁を震わせ、雲の彼方へ昇っていった。騎兵たちの戦馬が荒々しく鼻を鳴らし、蹄で大地を蹴り、重装歩兵たちの盾が一斉に叩きつけられ、鈍い響きを生み出した。


イヒョンはラマンを眺めながら、心の中で感嘆を飲み込んだ。


「本当に…印象的だな。」


ラマンがイヒョンを振り返り、軽く微笑んだ。彼の眼差しには依然として落ち着きが宿っていた。


「イヒョン卿、もうすぐ始まるでしょうから、覚悟を固めてください。」


イヒョンが頷いた。彼の声には決意が滲んでいた。


「わかりました、ラマン卿。私も準備できました。」


「戦いが始まれば、私がそばで守ってあげられるかわかりません。どうかお体をお大事に…」


ラマンが再び兵士たちに向かって声を張り上げた。


「弓士たち、発射準備!」


弓士たちが矢を弓弦にかけ、姿勢を正した。彼らの視線から恐怖の気配が消え、ラマンの激励から生まれた決意が閃いていた。城壁の欄干に並んだ彼らの動きが一糸乱れぬものだった。弓弦を引く鋭い音が風の中に溶け込み、周囲の緊張感をさらに高めた。


一人の弓士が隣の同僚に低い声で囁いた。


「あの怪物ども…歩き方が気持ち悪いな。矢が通じるのか?」


同僚が肩をすくめて応じた。


「通じようが通じまいが、俺たちは命令に従うだけさ。」


森から抜け出した集団が今や城壁近くに迫っていた。彼らのよろめく歩みがはっきりと露わになり、空虚な瞳と灰色の肌が陽光の下でより一層不気味に輝いていた。ラマンの手が空へ掲げられた。


「発射!」


命令が下った途端、数十本の矢が一斉に空気を切り裂いて放たれた。風を裂く鋭い音が耳元をかすめ、矢尻が太陽の光を受けて輝きながら放物線を描いた。


矢はよろめきながら近づいてくるフェルトゥスたちの胴体に正確に突き刺さった。


しかし、奇妙な現象が起きた。


普通なら数多くの敵がその場で崩れ落ちるはずだったが、彼らは何事もないように矢を受け、むしろ速度を上げ、すぐに猛烈な勢いで城門に向かって突進し始めた。


「何…あれは一体どうなってるんだ?」


弓士たちの間で困惑した声が漏れた。


イヒョンも目の前の光景を信じられず、目を瞬かせた。一瞬、説明できない恐怖が全身を襲い、膝が震えるのを感じた。


「矢があんなに刺さってるのに…なぜ倒れないんだ?」


ラマンは顔を少ししかめ、歯を食いしばった。彼の声には動揺がなかったが、状況の深刻さが感じられた。


「何か怪しいな。弓士たち!再装填!」


弓士たちが急いで矢を弓に掛けた。一人の弓士が同僚に向かって急迫した声で叫んだ。


「あいつら、怪物だ!矢が効かないぞ!」


同僚が歯を食いしばりながら応じた。彼の声には荒々しいが、決意に満ちた気概が滲んでいた。


「通じようが通じまいが、止まるな! 撃ちまくれ! この都市を必ず守るんだ!」


フェルトゥスたちの群れの真ん中で、奇妙な身のこなしで立っているニルバスの姿が、イヒョンの視界に捉えられた。彼は片手に剣を握り、あの怪物のような存在たちを統率していた。彼の身振りは人間のそれとはかけ離れて見え、周囲の空気を歪めるような奇怪な気配が感じられた。


ニルバスの唇の間から、聞き取りにくい低い呟きが漏れた。


「突撃…城門を…壊せ…」


その命令が下った途端、フェルトゥスたちの行動が一瞬でひっくり返った。


のろくさくぎこちなかった彼らの歩みが、想像もつかない速度で城壁に向かって突進し始めたのだ。風を切り裂くその勢いが塵の雲を巻き起こし、城壁の下を圧倒した。


イヒョンがラマンに急迫した声で尋ねた。彼の声には混乱と警戒が混じっていた。


「あれがニルバスですか? 普段の姿と全く違うじゃないですか…」


ラマンはニルバスの手に握られた剣を鋭く注視し、ゆっくりと頷いた。彼の眼差しには長い経験から湧き出る落ち着きが宿っていた。


「そうです。ニルバス…あの剣はおそらく代理時代に伯爵様がお与えになった物でしょう。一体何があったんだ? あんな姿に変わってしまうなんて…」


フェルトゥスたちがついに城門の鼻先まで迫った。彼らの突撃は今や巨大な波のように、何も阻むことができないほど威圧的だった。城壁の下から兵士たちの叫びが爆発のように迸った。


「防げ! 城門を絶対に突破させるな!」


まさにその瞬間、森の中から新たな気配が捉えられた。セレンディス川の水流に乗って密かに近づいてきたベルティモの部隊が、今ようやく姿を現し、フェルトゥスたちの背後を狙って駆け寄ってきた。彼らの足音が木の葉を踏みしめながら響き渡った。


ベルティモの力強い咆哮が風に乗って城壁の上まで伝わってきた。彼の声は戦場の混乱の中でもはっきりと輝いていた。


「攻撃! 後ろを狙え! あの怪物どもを全部ぶった斬れ!」


ベルティモの兵士たちが剣を閃かせながらフェルトゥスたちの背中を狙った。一人の兵士が同僚に向かってにやりと笑いながら叫んだ。彼の態度には戦闘の興奮が溢れていた。


「あいつらの背中をぶち抜いてやろうぜ!」


同僚が鼻で笑いながら相槌を打った。陽気な口調の中に、熟練した戦士の余裕が滲んでいた。


「はは、これじゃ子供のおもちゃ取り上げるくらい簡単な仕事だよ!」


森から溢れ出るベルティモの部隊を見たラマンの口元に満足げな微笑みが広がった。彼の目には戦略家らしい自信が滲んでいた。


「さすがベルティモ隊長…タイミングが完璧だな。計画通り進んでいる。今こそあいつらを前後から包囲して潰す時だ。」


イヒョンが頷きながら同意した。胸の中に安堵の波が広がったが、それでも一角にじわじわと湧き上がる不吉な予感が残っていた。


「ええ…でも…」


戦場の咆哮が城壁全体を覆った。剣と剣の衝突、矢の鋭い音、そして叫び声が絡み合い、混沌の交響曲を奏でた。


ベルティモの部下たちはセレンディス川とトラクシル川の激しい急流を掻き分け、荒野の砂嵐を耐え抜いて成長した強靭な戦士たちだった。彼らの体には川の湿気と大地の塵が染み込み、ひどく荒々しく信頼に足るものだった。


ベルティモは一番前に巨大な斧を掲げ、部下たちに向かって雷のような命令を下した。彼のリーダーシップは単なる力以上の何かを発揮した。


「敵に息つく暇を与えるな! トドメを刺せ!」


ベルティモの部隊がフェルトゥスたちのうなじに食らいついた。


兵士たちの喊声が大地を震わせ、彼らは武器を振り回しながら猛烈に突進した。空気が彼らの勢いで引き裂かれそうなほどだった。


ベルティモの斧が一匹のフェルトゥスの背中を直撃した。鋭い刃が肉を抉る瞬間、血潮が噴き出るはずのその場所で、奇怪な現象が起きた。


フェルトゥスは少しも揺らぐことなく、依然として前へ進んだ。まるで傷など感じないかのようなその態度が、周囲をさらにぞっとさせるものだった。


斬られた傷が裂け、血のように黒く赤い液体が滲み出たが、そのフェルトゥスは体をぐっと捻ってベルティモを睨みつけた。


その瞳は空洞の穴のように生気なく、しかし身のこなしは鋭い刃のようだった。空気自体がその敵意で凍りつくようだった。


「何…なんだよ、この野郎!」


ベルティモの部下の一人が歯を剥き出しにし、咆哮のように叫び、斧を両手で握りしめて全力で振り下ろした。


その鋭い刃がフェルトゥスの肩を抉った。骨が粉々になる鈍い音が響くはずのその瞬間、フェルトゥスはむしろ腕を振り回して、彼が乗った馬を強く叩いた。


戦馬が苦痛の嘶きを上げて崩れ落ち、部下は地面に転がり落ちて塵を巻き上げた。


「くっ! こ…こいつ、なんで倒れねえんだ? あいつら完全に狂ってるんじゃねえか!」


ベルティモは歯を食いしばり、斧を再び振り回した。一生で初めて経験するこの怪奇な敵の反応に内心で動揺が起きたが、彼はその感情を抑え込み、部下たちを叱咤した。


「動揺すんな! 斬れ、刺せ、容赦なく追い詰めろ! 慈悲なんて言葉は忘れろ!」


彼は初めて感じるこの不気味な違和感を必死に無視し、声を張り上げて叫んだ。声に歴戦の戦士の気迫が滲んでいた。


長い歳月、戦場と川筋を掻き分けて出会った荒々しい猛獣も多かったが、このフェルトゥスたちは何とも比較できなかった。彼らの外見は子供、女性、または老いた老人のように見えたが、その中に隠された力は想像を絶した。


一人の部下の槍先がフェルトゥスの腹を正確に貫いた。


「死ねよ、この怪物野郎!」


部下の叫びが反響したが、フェルトゥスは槍を抜き取ることもなく、むしろ槍の柄を握りしめて彼を引き寄せた。


その拳が部下の顔面を直撃すると、骨が砕ける恐ろしい音とともに血の塊と脳漿が四方に飛び散った。


「あああっ!」


「大将、こりゃ退くべきじゃねえか?」


「退く? ふざけんな!」


ベルティモが怒鳴った。彼の重厚な斧が虚空を切り裂き、二匹のフェルトゥスを一気に斬り倒した。


肉が裂け、骨が露わになったが、彼らは依然として耐え立っていた。むしろ動作がより敏捷になった。少し前までののろい身振りは跡形もなく消え、一匹一匹が影のように素早く動いた。


子供の姿をしたフェルトゥスがベルティモの馬を蹴り上げると、馬の脚が折れ、悲鳴を上げて倒れた。


馬上から転げ落ちたベルティモは素早く体を転がして致命傷を避けたが、衝撃で胸が苦しくなった。


「こ…この力は一体なんだ? あのガキが…どうやってこんなことを!」


「あいつら、不死身じゃねえか?」


勢いよく突進していたベルティモの部隊が徐々に動揺し始めた。


戦馬たちが嘶きながら倒れ、兵士たちの喊声は次第に悲鳴に変わっていった。


ベルティモは歯を食いしばり、周囲を睨み回した。


頭の中に不吉な予感がじわじわと湧き上がったが、彼はそれを無視して歯を食いしばった。


「全員集合! 陣形を守れ! あいつらの弱点を掴め!」


彼の指示が響き渡ったが、フェルトゥスたちの攻勢は無慈悲で鋭かった。


少女のように見えるフェルトゥスが斧を振り下ろすと、部下の盾が粉々に砕け、彼の腕骨が粉砕された。


「くあああっ! 俺の腕が…くそっ!」


部下の絶叫が戦場を満たした。


骨が砕ける騒音、大地を掘り返す蹄の振動、金属がぶつかる鋭い衝突音が混じり合い、混沌の交響曲を生み出した。


ベルティモの部隊は敵の背後を狙ったはずが、むしろ自分たちが包囲されたような気分になった。


フェルトゥスたちの眼差しは虚ろで、表情もなかったが、その力は圧倒的だった。まるで魂のない人形たちが殺戮の本能だけで動いているようだった。


「大将、どうすんだ? あいつら、悪魔だぜ!」


部下の切羽詰まった呼びかけがベルティモの胸を抉った。


ベルティモが剣の柄を握り直し、低く呟いた。彼の声には歴戦の指揮官の決意が滲んでいた。


「悪魔だろうが怪物だろうが…俺たちは勝つ。もう少し耐えればラマンの騎兵隊が駆けつけるはずだ。最後まで耐えろ!」


風が濃い血の臭いを運び、戦闘の熱気はさらに高まった。塵と悲鳴が絡みつくその場所で、ベルティモは部下たちの視線を集め、再び斧を振り回した。


「諦めなんてねえ! 敵の首を狙え!」




読んでくれてありがとうございます。


読者の皆さまの温かい称賛や鋭いご批評は、今後さらに面白い小説を書くための大きな力となります。


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