第七十七話
女の投げたナイフを避け、次の一撃を放とうと接近した時、女が大きな鎌を創り出した。
(…マジか?!)
一旦距離を取ろうとするが遅かった。ガードも虚しく京は横から切り裂かれ、右腕が切り離される。
「いってぇ…!!」
蹴りを繰り出すがその足も切断され、京は倒れた。倒れた京を女が見下ろす。京は残った左手で必死に立ちあがろうとする。
「…まだ戦うのか?そんなにボロボロにされたのに」
「死ね!」
「…これで…終わりだな。」
(クソっ…!治れ治れ!足だけでも…)
女は今度は長い太刀を創り、京の背中に突き刺す。
「がっ…」
ここで京の意識は途切れた…。
次に目を覚ました時、京は同じ場所に倒れていた。腕も足も治っているが、まだ体が痛い。
「ッッてぇ…クソっ、何なんだよアイツ…!」
やはり闇の勢力の者たちはとてつもない力を持っていると、京は改めて気付かされた。今回は命拾いしたが、次バッティングした時は確実に殺しに来るだろう。その時に京があの女の動きに対応できるかは分からない。
「クソっ…!!納得いかねぇ…ブッ殺してやる!!」
しかし、ここで京は気づく。手が震えているのだ。
「…ハァ?ビビってんのかオレぇ…」
女のあの視線…そして、とてつもなく「痛い」斬撃。あの痛みを思い出すと、足が止まってしまう。両手で頬を叩き、京は足を進めるのだった。
「え…京くん?!」
街を歩いていると、ミヤと出会った。
「どうしたのそれ?!服破けてるよ…?」
「あぁ…色々あったんだよ」
「今日はカストレア邸に居たんでしょ?そこで何かされたの…?」
「いや、そうじゃなくてよ…さっき『闇の勢力』のヤツに襲われてよ。傷はもう治ってるからいいんだけどよ…」
闇の勢力と聞いて、ミヤは驚いている。あまり脅かすようやことを言いたくなかったので濁していたが、変な誤解を生んでも困る。
「闇の…勢力?この街にいるの?!」
「…あぁ」
ミヤはかなり怯えている。この子の為にも、早くあの女を見つけ出して殺さなければならない。
「…まぁ心配すんな。オレがなんとかする」
「なんとかって…どうするの?」
「そりゃあ…ブッ殺すだろ」
「また戦うの…?そんなにボロボロにされたのに?」
「当たり前だろ?こんだけやられて逃げてられっかよ」
「…そっか。」
今日もまたミヤの家に泊めてもらった。今日の晩飯はミヤが作ってくれるようだ。料理を作るミヤの背を眺める。
「うわっ!どうしよ…!コレ大丈夫かな…?」
…ちょっと怪しいな。食って大丈夫なやつかこれ…?
「ひえぇ〜!黒焦げじゃんよぉ…!」
黒焦げ…これはマズイかもしれない。




