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第七十六話

それからはワルツレッドに魔法を教えてもらった。しかし、イナの力を継承したが魔力量は変わっておらず、12しかない魔力ではワルツレッドの教えにはついて行けなかった。


「ではな、京くん。」「京さん、また。」

セフィナとワルツレッドに見送られ、カストレア邸を後にする。今日はかなりいい手がかりが得られた。闇の主を倒す為に、各国の『宝具』を集めなければならない。つまりこの国にも『宝具』はあるのだ。アストレア王国の輝光石と宝具は奪われてしまったので、全てを集めることは出来ないが…。まだ希望はある。進むしかない。とりあえず今日得られた情報をウォンと共有しよう。通信機を使いウォンに連絡を入れる。

「…どうした」

「おう、ウォン。こっちは手がかり見つけたぜ」

「奇遇だな。俺もたった今情報を得たところだ」

「マジか!…まずはオレからだ。闇の主は今、北の洞窟にいるらしい。闇の勢力が潜んでるのもそこらしいぜ」

少し間が空いて、ウォンが返事を返す。

「…北の洞窟…か。あの辺りには強力な魔物たちが多いな。今の俺たちでは恐らく、洞窟に辿り着くことすら出来んぞ」

「そこは問題ねぇ!『宝具』を集めればイナの斧が強化されるらしい!その力があれば闇の主を倒せる…!」

「ほう…つまり俺がいる『エディナ』と、お前がいるセントノリアの宝具も必要ということか…しかし手に入れるのは一筋縄ではいかんぞ」

『エディナ』…ウォンはそこにいるらしい。エディナの事はとりあえずウォンに任せて、京はセントノリアの宝具を手に入れる為に動くことにした。

「そっちは任せるぜ、ウォン…で、お前が得たっていう情報は?」

「あぁ…京、気を付けておけ。セントノリアには闇の魔力を持つ『暗殺者』がいるらしい。闇の勢力の者らしいが、本当に強いらしい。」

「はぁーん…暗殺者ね…まぁ気にはしとくぜ」

無線を切り、京はまた歩き出す。暗殺者…今なら負ける気がしない。どっからでもかかってこいって感じだ。

「暗殺者…ぶっ殺してやるぜぇ!!」

その瞬間…。背後になにか嫌な感じがして振り返ると、黒いナイフが3本飛んできた。

「うおっ!!」

1本が頬を掠めるが、ギリギリの所でかわす。体制を立て直し構えると、そこには真っ黒な髪の女がいた。前髪で右目が隠れており、手には黒い刃物を持っている。

「噂をすれば…ってやつか?オメェがその暗殺者だな?」

黒髪の女は京に歩いて近づく。

「貴方には…ここで死んでもらわないといけないんだ。主がそう言っていた。」

日は沈み、空が赤く染まる。やけに鳥がうるさい。

「闇の主様はオレの事を認知してんのか?そりゃあ光栄だな。尚更こんなとこで死ねなくなったぜ!」

京が黒髪の女に飛びかかり、全力で拳を振るう。しかし、風のように避けられてしまう。京の攻撃に完全に動きを合わせ、女は京の胸を切り裂く。

「いッッてぇ!!」

切り裂かれた部分から更に数回斬撃が発生する。血が吹き出し、女の蹴りで京は吹っ飛ばされ壁に直撃する。

「あがっ…いってぇ…!なんつーパワーだ…!」

かなりの勢いで吹っ飛ばされた。壁にはヒビが入っている。手元を見ると、黒い刃物が落ちている。その刃物が突然形を変えて槍に変わり、京を突き刺す。

「あがぁあッッ!!いっっってぇ…!うぐぐっ…」

なんとか立ち上がり、腕から槍を抜く。

(傷はすぐ治る…けどこりゃヤベェぞ。さっき斬られたとき、斬られた部分からまた数回斬られた。あれがとにかく痛え…!)

傷が完全に治り、また女に接近する。女はまたナイフを生成し、京に向かって振るう。かなりの速度だが京はなんとかかわし、顔面目掛けて回し蹴りを繰り出す。

「うらッ!!」

腕でガードされるが、ガードを崩して蹴り抜き、女を吹っ飛ばす。女は受け身を取ってすぐ立ち上がり、京に向かってナイフを投げた。


 


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