第七十三話
「セフィナ…!お前は逃げろ!コイツはオレがやる!」
「でも、京さん…!私もサポートできます!」
「いいから!!ジャマだ!!」
少しの間が空き、セフィナは走り去っていった。
「…待ってくれるなんて、悪者の割に優しいじゃんよ」
「光…潰す…」
ゴブリンの王の武器は、かなりの大きさの棍棒。しかも、その棍棒には棘が付いており、叩かれればタダでは済まないだろう。京は一気に間合いを詰め、王の顔面を殴り飛ばす。ゴブリンの王は数メートル吹っ飛んだ。
(手応えが浅いな…ガードされたか)
ゴブリンの王が起き上がると、また身構える。
(足がふらついてるな…軽く打ったけど効いてるみたいだ。これから崩せる…!)
今度は、ゴブリンの王が京に向かって突進してくる。
「うぉっ?!速…ッ」
振り下ろされる棍棒を横っ飛びで避け、カウンターの蹴りを見舞う。
「グガッ…!!」
かなり効いたようだ。数歩後ろに下がると、血を吐いて膝をついた。
「ゴッ…グガァァ!」
「ハッ、大したことねぇな!今は忙しいんでな…さっさとくたばってもらうぜ」
とどめを刺そうと一歩踏み出した、その時。ゴブリンの王の背中から、腕のようなものが突き出てくる。
「なっ…?!」
一本、また一本と真っ黒な腕のようなものが出てきて、ゴブリンの王の体を引き裂いてしまう。血が飛び散り、臓物が溢れる最悪な光景の中で、その黒いものは蠢いていた。
「きっ…キモい…!」
黒いものが立ち上がり、その全貌が明らかとなる。六本の腕に歪な頭、身長は二メートルほど。中々にホラーな見た目をしている。
「なんだ、コイツ…?!」
黒いものは京に向かっていくと、その六本の腕で京に襲いかかる。なんとかガードしていき、隙をついて顔面部分にアッパーを入れると、頭がもげて地面に落ちる。
「うえ…?!」
ビックリして油断していると、腕の一本が鋭く変形し、京の脇腹を貫いた。
「ぐっ…!!」
しかし、京はその腕を掴んで自身の元へ引っ張り、頭のない黒い物体に頭突きをお見舞いする。勢いで腕がもげ、その黒い物体は大きく吹き飛んだ。
「あがっ…!!いってぇ…!」
刺さっている腕を引き抜くと、脇腹の傷が再生していく。
「…すげぇな、もう治っちまった。」
黒い物体のほうを見ると、ちぎれた頭を拾い上げて自分の体にくっつけていた。京に向き直り、また突進してくる。
「いい加減、くたばれッ!!」
黒い物体が腕を振り上げて襲いかかってくる。京は素早くその物体の胸部分に正拳突きを繰り出し、黒い物体の胸を貫いた。そしてすぐに引き抜き、回し蹴りで蹴り飛ばす。黒い物体は倒れ、ピクピクと腕が痙攣している。少しすると、蒸発するようにして消えてしまった。
「そうだ…他のゴブリンは…!」




