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第七話

少し歩いて、洞窟のような場所に来た。

「ここで少し待ちましょう。」

「…待つ?なにを?」

「次の敵です。」

なんて言っていると、洞窟の奥から小鬼のような見た目のモンスターが現れた。緑色の肌をしていて、みすぼらしい布を腰に巻いている。

「あれは『ゴブリン』ですね。小さい個体なので貴方なら余裕で倒せるはずです。」

「うえぇ!なんだあのバケモン…なんかこえーぞ」

ゴブリンが京の方を見た。息が荒く、なにかボソボソと喋っている。

手にはこん棒のような武器を持っている。体格は小柄、背も京より小さいだろう。

「まぁいいや、チャチャっとやっつけてやるぜ!」

京は身構え、相手が動くのを待つ。すると、ゴブリンは奇声をあげて京に襲いかかった。

こん棒を振りかぶっている。あの体勢からなら、振り下ろす以外はないだろうと考えた。京は素早く身をかわし、その反動を使って渾身の右フックをゴブリンの顔面にお見舞いした。もちろん、魔力など込めていない。

「グギャァア!!」

ゴブリンが少し吹っ飛ぶ。そこに間髪入れず、

踵落としを顔面に叩き込む。ゴブリンは動かなくなった。

「お見事です。魔力は全くこもっていませんでしたが、良い身のこなしでした。モンスターが相手でも、しっかりと戦えていますね。」

魔力を込めることを忘れていた。だが、化け物に勝てて京は満足していた。すると、洞窟の奥から音がする。

「この洞窟、ゴブリンが住み着いてしまっていて、協会にもゴブリン討伐の依頼が出ているんですよね…と言うことで、京さん、残りのゴブリンもやっちゃってください」

「はぁ?!一匹じゃねぇのかよ!…ちなみに、数はどれぐらいかとか分かんのか?」

「そうですね…大体10から15匹くらいで、親玉が1匹いるかと」

「多いな?!」

なんて言っていると、奥からゴブリンの群れがやってきた。

10…12匹?いや、10匹…数えられない。

「さっきのやつと一緒ぐらいなら…余裕だな!サクッとやっちまうぜ!」

ゴブリン達が京とイナに向かって奇声をあげる。ものすごく汚い声だ。

「きったねぇ声だなぁ…耳がいてぇぜ」

京は一息つくと、思いっきりゴブリン達の方へ走り出した。

飛び膝蹴りで1匹…突き、肘、回し蹴り、次々とゴブリンを倒していく。気付けば小さなゴブリンは全員片付いていた。

「…ん?」

奥から足音がする。先ほどまでのゴブリンよりもかなり大きい、親玉らしきゴブリンが現れた。

「グルルァァ!!!」

「でけぇ…体格はさっきのとは比べものになんねぇな…」

京はダッシュで距離を詰め、ゴブリンの股間を蹴り上げた!!

「ギュリリリァァ!!!」

親玉ゴブリンはうずくまり、痛みに悶えている。

「へっへへ…キンタマは全世界共通で効くモンだな」

うずくまるゴブリンの顔面に、京はサッカーボールキックをお見舞いする。ゴブリンは…もう痛みから解放されたようだ。

「さぁーて、これで全部かな。イナさん!片付いたぜ!」

(京…私が想像していたよりもずっと強い。彼なら上位10人に本当に入れるかもしれないですね…。いや)

「イナさん?どうしたんだよ。もしかして倒し方が悪かったか?いぃーや!んな事ねぇよな!金的は魔法だからな!」


「…明日の試験、貴方なら1位になれるかもしれませんね。」

「え?なんだよいきなり…てか明日?!マジで言ってる?!」

「これ逃したら次の試験は来年ですよ、それまで

どうするつもりですか」

「あぁクソ!いいぜ!やってやるよ!」


京とイナは、一旦町へと戻るのであった。



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