第六十八話
「いいなー、京くん…あんなお金持ちの家にお呼ばれするなんて。」
「へっ、当然だろ。助けてやったんだからよ。」
京とミヤは二人で街を歩いていた。明日は金持ち一家であるカストレア家にお呼ばれされているが、今日はこれ以上やる事がない。
「…腹減ったな。どっか飯食えるとこねぇの?」
「えぇ、私もここ来たばっかだから分かんないよ。」
「ミヤも腹減ってんだろ?この辺で店探そうぜ」
「お、いいねいいね!」
時は夕方、二人は店を探し始めた。
「京くん、こことかどう?」
「うぅん?…ダメだここは。ドレスコードがどうとか書いてあるぞ。オレたちじゃ入れねぇな。」
「京くん見て!ドラゴンの肝だって!」
「ゲテモノじゃねぇか!しかもたっけぇな!」
「わぁ…デーモンのソテーだって!」
「だからゲテモノじゃねーか!!」
この辺りの食文化にはついて行けない…いや、高級志向すぎてよく分からないものを料理しているだけなのだろう。京には良さが分からない珍味っぽいのが多すぎる。
「…ちなみにミヤは食ったことあんの?」
「いや…ないよ?」
「ねぇのかよ!!」
探し回っているうちに太陽は完全に隠れ、街頭の光が街を照らし始めた。
「おおい…日ぃ暮れちまったじゃん」
「あっ!京くん!ここは?!」
あまり期待せずに見てみるが…値段は少し高いが、メニューに載っている料理はどれも美味しそうだ。
「…いいじゃねーか!ここにするか!」
店の扉を開けて見ると、ファミリーレストランのような、上品だが肩肘張らなくてもよい空間が広がっていた。
「いらっしゃいませ。二名様でしょうか?」
「そうだぜ。席空いてます?」
「はい。こちらへどうぞ」
店員さんに案内され、二人は向かい合って席についた。
「はぁ…流石に歩き疲れたねぇ」
かなり歩いたので、ミヤにも疲労の色が見える。
「まぁ、こんな店見つけられて良かったな。どこ探しても高級そうな店ばっかだったしな」
「ね、どれ頼む?私はパスタにしよっかなー!」
ミヤはメニューを見ながらなにかぼやいている。なんだか楽しそうだ。
「オレもメニュー見たいんだけど。占領しないでもらえますぅ?」
肘をついて京がぼやくと、ミヤは京のほうを見ると、京の隣の席に座った。
「これで二人でメニュー見れるねぇ」
「え、あぁ…」
(距離近ッ…!!なんかイイ匂いするし…可愛い…)
「…こっち見てないでメニュー見たら?」
(やば。ちょっと惚れそう。)




