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第六十六話

あれから街行く人に話を聞いてみたが…嫌な顔はされるしなんにも情報は集まらない。

「あぁ…帰りてぇな。まぁ寮で盗みも働いたし帰れねぇんだけどな。」

京は疲れて道の端っこで座り込んでしまった。ウォンとは分かれて聞き込みを行っていたが、ウォンも帰ってこない。

(これ以上聞き込みして不審者扱いされるとやべぇな…この街からも追い出されるかもしれねぇ…)

「あれ…?もしかしてあなた、京君?」

名前を呼ばれて顔を上げると、見覚えのある少女が一人。長い金髪に青い瞳、特徴的なとがった耳。

「あれ…?!お前、ミヤか?!」

ミヤ…京の目の前で誘拐され、そこを助けてやった女だ。

「え…お前ここに住んでんのか…?」

「うん、ここに知り合いがいるの。そこで住まわせて貰ってるわ。」

ミヤの話を聞いていると、ウォンが帰ってきた。

「戻ったぞ…ん?誰だその女は。」

「あぁ、コイツはミヤってんだ。ちょっと前に道端でオレを助けてくれた。ミヤ、コイツはウォン!口も目つきも悪いしダンマリだけどいい奴だ!」

ミヤはおかしそうに笑う。

「アハハ、なにそれ!」

「で…京。オレはここの西側にある国で聞き込みをする。お前とは数日の間別れて行動しようと思う。」

「は?!なんで?!」

京は思わずツッコむ。

「そのほうが効率がいいだろう。」

嘘だ。絶対ここの居心地が悪いから出たいだけだ。

「…あっそ!好きにしろよ!」

「これを渡しておく。オニキス家の開発した『ツウシンキ』だ。」

ウォンは京に小型の無線機のようなものを渡して歩いていってしまった。

「へぇ…すごい!よくそんな物手に入れられたねぇ」

ミヤは興味深そうに無線機を観察する。

「ティアー王国出る前に色んなとこに盗みに入ったんだよ。あの気に食わないオニキスの家もな!」

「ええ…それ犯罪じゃん。犯罪者。」

「オレを退学にしたのが悪いだろ?これは正当防衛だ」

ミヤはドン引いている。が、少しするとまた笑いだす。

「退学…なにしちゃったの?」

「先生ぶん殴ったんだよ。始めたのはさっきの目つき悪いヤツだけどな!」

「折角そんなすごい学園行ってたのに…勿体無いね」

なんて話していると…向こうから騒ぎ声が聞こえてくる。

「セフィナお嬢様ァァ!!」

声が聞こえる方を見てみると、屈強な男たちが女を攫っているのが見える。男たちは馬に乗って、女を抱えて走り去ろうとしている。

「…あ!!ミヤ、ちょっと待っててくれ。」

京は全力でダッシュして、数百メートル離れたところにいた男たちに追いついた。

「うおぉ…!自分でもビビるぐらいに速ぇ…!」

馬に追いついて並走する京に男たちは驚いた。

「うわぁあぁっ!なっ、なんだお前は…!!」

「住所不定無職だよバカ!!」

京はそう叫ぶと京は飛び上がり、馬に乗った男たちの顔面を蹴り上げ、一発でKOしてしまった。

 

 

 

 


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