第六十五話
闇の主を倒すとは言ったが…京もウォンも闇の主はおろか、闇の勢力の者たちがどこにいるのかも分からない。勢いで街を出てきた京とウォンは路頭に迷った。
「…闇の主ってどこにいんだ?」
「俺が知っている訳ないだろう」
「じゃあ手がかりを集めねぇとな…ウォン、なんか情報集められそうなとこ知らねえか?」
「…かつての五傑集の一人の出身地。今も輝光石がその国に保管されている。」
「へぇ…?なんか思い当たる場所があるんだな?」
ウォンの表情は渋い。なにか問題があるのだろう。
「今の俺たちは学園も退学となり、住所不定無職となった。そんな俺たちが入国出来るかは怪しい…。」
「は?入るだけだろ?余裕だろ!」
「行ってみれば分かる…聖国『セントノリア』にな。」
二日ほど歩いて、ようやくそれらしき場所が見えてきた。
「はぁー!でっっけぇ城が見えるぜ…」
まだそこまで近づいていないが、西洋風の巨大な城が見える。テーマパークのお城ですらここまで大きくはなかったように思える。
「…門まで行くだけ行ってみるぞ」
ウォンに促され、二人はセントノリアの門まで向かった。
「待ちなさい、君たち。身分証を提示してもらおう。」
門番に止められてしまった。
「み…身分証?!」
「ここ最近この辺りで物騒な事件が多発しているのでね。セントノリアの民の安全を守る為にも、身分証を提示していただけないとここには入れない。」
ウォンは二日前に退学したティアー国立魔法学園の学生証を提示する。
「…いいだろう。入国を許可します。」
(いっ、行けたーー!!!オレたち退学になったけど…!)
二人は門をくぐり、聖国セントノリアに入っていく。その景観は凄まじく、北欧風の整備された床、なんか小洒落た街頭…。とにかく華やかで、京やウォンにとっては居心地の悪い場所だった。それに、街を歩いている人も、ティアー王国とは異なっていた。ティアー王国で金持ちなら、この国では普通くらいの身分となる。つまり今の京たちはただのホームレスだ。
「ティアー王国とは随分雰囲気が違うな…」
「あぁ…ここでは身分が重視される。位の高い者にはそれ相応の対応をしなければならない。一応言っておくが…キョウ。俺たちは今、住所不定無職だ。身なりも貧乏くさい。」
「門番に嫌な顔されたのも、さっきから通りかかる奴らがゴミ見るような目で見てくんのもそのせいか…」
京は辺りを見回す。
「そんじゃ…情報収集、してみるかぁ」




