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第五十七話

イナは斧を構え、美月は二本の柱から武器を取り出す。先に動いたのは、美月だった。柱から巨大な光線が放たれ、その光線が無数に分裂してイナに襲いかかる。イナは飛び上がり、光線を斧で弾いていく。

「マジか…今ので全弾防がれるのか…?!」

美月は動揺したが、すかさず柱からの攻撃を続ける。美月本人も飛び上がり、イナに攻撃を仕掛ける。イナは空中で美月の攻撃を回避し、脇腹を斧で薙ぎ払う。しかし、完全防御(リフレクト)で攻撃を反射され、イナの腹から血が吹き出す。

「ぐっふ…」

美月の手前で止まった斧が光り出すと、地面が崩れ、岩が斧めがけて吸い寄せられる。

「マジか…っ!」

完全防御(リフレクト)により岩は砕けていくが、たちまち美月の周りに固まり、美月は身動きが取れなくなってしまった。

「ぐぐっ……まいった、イナさん、僕の負けだよ…。」

イナの合図で美月を拘束していた岩は崩れ落ち、二人が京の元へ歩いてきた。

「京さん…彼は言い伝えの者で間違いないでしょう。転移してたった一週間でこれは素晴らしいです、完全防御(リフレクト)の反射がもう少し強ければ、私も危なかったですから…」

京は、今回の戦いで更に強くなった疑問をイナにぶつける。

「なぁ…アンタ、一体何物なんだ?おかしいとは思ってたが…」

イナは困ったような顔をしている。言い訳を考えているようにも見える。

「…もう話すしかありませんね。」

京と美月のほうを見て、イナが話し始める。

「私の本当の名前は『イアス・マキナ』。かつてこの世界に光をもたらした、五傑集の一人です。」

「はぁ?!」

京と美月は声をあげて驚く。

「ちょっと待てよ…五傑集が活躍したのって、もう何百年も前の話なんだろ?!最近授業で聞いたぜ…?」

イナ…イアスは話を続ける。

「あれから私は二百五十年生きています。今の私の年齢は…二百七十四歳ですね。」

開いた口が塞がらない…。見た目は二十代前半くらいに見えるのに、実年齢はおばあちゃんなんて話じゃない…。

「闇の主を封印してからは、言い伝えの者を探しながら隠居していました。二度と同じ過ちが繰り返されないように…。」

イナが美月のほうを向く。

「もう少しすれば…貴方に私の力を譲渡します。この力と、選ばれし者のみが持つ『封印の光』の力があれば、この世の均衡をまた元に戻せます。」

「…力を渡すと、君はどうなるんだい?イアスさん。」

「死ぬでしょうね。」

あっさりとした、衝撃の答え。京はただ聞いていることしかできなかった。

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