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第五十五話

イナの家に入り、イナが奥から椅子を一つ持ってきてくれた。

「さ…美月さん、座ってください。」

「あぁ、どうも」

京とイナ、美月は椅子に座る。

「美月さん…貴方は本当に『黄金の門』をくぐってきたんですか…?」

「あぁ、そうだね…みんなそうだと思ってたんだけど」

「オレはばあちゃん家のトイレみたいな扉から来たぜ。」

京はなぜか誇らしげだ。美月もイナも思わずため息を漏らしてしまった。

「…それはさておき、貴方のスキルを見せてもらいましょう…」

イナは美月の目を見つめる。すると突然ハッと声を出して驚いた。

「これは…とんでもないスキルですね…『鑑定』に『物体修復』、『基礎能力超アップ』…言い始めるとキリがありません。」

(なるほどな…それでオレのスキルも言い当てられたのか)

「へぇ…アナタもスキル鑑定、できるんですね…」

美月は興味深そうな顔をしている。イナは美月に、美月はイナに興味が行っている為、京は完全に蚊帳の外だ。

「…イナさん、アナタは何者なんですか?その力…」

「おっと…それ以上はいけませんよ。」

イナが美月を制止する。美月は奥の本棚から一冊の本を取り出した。表紙はボロボロで、何年も前の本であることが伺える。

「これを見てください。遠い昔、この世界がまだ『光』と『闇』に分かれていなかった頃の話です。」

まだこの二つの力が共存していた頃は、光と闇のどちらかの力が強まることがなく、二つの勢力による争いもなかったのだ。民たちも、お互いの信仰を尊重し合い、今のように闇の勢力が侵食の為に一国を滅ぼすようなこともなかった。しかし、闇の力が強まり過ぎてしまったことにより、世界は暗黒に包まれた。五傑集により世界は照らされたが、未だ完全なる平和は訪れていない。


「美月さん…貴方の話が本当なら、この世界は『完全なる明日(アフターライフ)』を迎えられます。貴方なら闇の主を完全に封印出来るのです…その為に。」

イナは立ち上がり、一呼吸置いて言い放った。

「美月さん、私と手合わせしましょう。」

美月はニヤリと、そう言われることを分かっていたかのように微笑んだ。


 

 


 

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