第五十三話
美月が教室に入ると、教室内がざわめいた。
「えっ!誰あのイケメン…!」
「やばっ、すごいタイプかも…!」
美月はかなり整った顔立ちをしている。女子のハートを一発目から射止めてしまった。先生が美月を紹介する。少しして教室に入ってきた京には、誰も見向きもしなかった。
授業が始まり、美月は途中から入ってきたこともあり、魔力量の測定から始まった。美月が測定器に手をかざす…すると、測定器がカタカタと音を立てたかと思うと、爆発してしまった。
「はぁ…?!」
周りは騒然としている。どれだけ魔力の高い人でも、爆発などしたことがないのだから。
「あれ…なんかやっちゃいましたかね」
美月は苦笑い。
(なんだコイツ…なんつー魔力量…!!)
魔法を使わせてみると、初級魔法ですら上級魔法に匹敵する威力。またしても一同騒然。
「じ、じゃあ…試しに全力で魔法を撃ってみなさい。」
「分かりました。それでは…」
美月が放ったのは…最上級魔法、『メテオ』だった。焼け付く様な暑さが来たかと思うと、地面が揺れる。まさに隕石のような強烈な一撃が天から降り注ぎ、地面には大きなクレーターが残っていた。
「嘘だろ…」
空いた口が塞がらない。イケメンで、強い。
「…納得いかねぇ!」
突然京が美月に詰め寄る。
「オマエ…オレと勝負しろ。」
美月は驚いている。
「えっ…でも、君からは全くと言って良いほど魔力を感じない。スキルは…なんだいそれ?【鉄の棒】って…」
魔力量とスキルを言い当てられた。またしても周りがざわめく。
「んだとテメェ…!!」
常人なら見てから回避は不可能の、最速のパンチを繰り出す。が…あの時と同じ感覚。防御魔法で防がれている。それだけではない…。
「いっっ…てぇぇ!!」
拳が…割れている。骨が飛び出し、血が溢れてくる。
(はぁ…?!なんでオレの拳が…?!攻撃されたのか?いやそれはねぇ…!クソ…!)
「あっ、すまない…加減が出来なくてね。今治療を…」
京は身を屈めると、地面スレスレからのハイキックを顔面目掛けて放つ。
「な、京君、ちょっと待ってくれ…」
蹴りはガードに阻まれ、また足にダメージが入る。
「がぁっ!!いってぇ…!!」
ズボンの下から血が滲む。左足の感覚が完全になくなってしまった。
(なんだコレ…?!まるで足が爆発したみてぇだ…!)
「ものすごい蹴りだね…『完全防御』がなかったら僕は今頃失神してたかも…」
拳も足も使い物になってしまったが、京はなんとか片足だけで立ち上がる。
「クソ…マジで失神させてやんよ…!」
京がなんとか片足で地面を蹴り、美月の元に接近するが…
「一回、冷静になった方がいいよ…」
美月が京の前に手を出すと、京は美月の前に跪いた。
(な…体が、重い…?!)
押しつぶされそうな重さが京の全身に降りかかる。なんとか立ちあがろうとするが、膝をついて耐えるので精一杯だった。
「…『スリープ』」
美月が京に魔法をかけると、だんだん意識が薄れていき眠ってしまった…。




