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第五十一話

学園での授業が終わり…京は一人帰路についた。

「なにやってんだオレは…チャンスだったろが…」

(なぁにいい奴ぶってんだオレ…!どうせモテないし魔力もないし学園じゃ完全に浮いてて見下されて…それなのになんだ?!まだみんななかよくー!なんて思ってんのか…?)

「クソがぁぁぁあァァッッ!!」

怒りに任せて木を殴る。ミシミシと音を立てて、木は折れてしまった。

「…機嫌が悪いみたいだね」

聞き馴染みのある声、それでいて今一番聞きたくない声。アイリスが立っていた。

「んだよ…情けないオレを笑いに来たのか?!」

「違うさ!ただ…」

「うっせぇ!消えろ!!」

京は拗ねて走っていってしまった。


次の日…教室に入ると、クラスメイトの視線が京のほうに集まった。なにかボソボソと聞こえるが、なんと言っているかまでは聞き取れない。席に座るが、居心地が悪い。

「昨日のキョウ君凄かったよな…あのアイリスさんに後一歩で勝ててたんだぞ!」

「バカか、アイリスさんが手加減してたんだろ。確かに凄かったけどアイリスさんが本気になってりゃもっと差がついてたさ。」

(チッ、勝手なことばっか言いやがって…)

だんだんイライラしてきていると、ザックとビビが教室に入ってきた。

「キョウくん、おはよー!」

「オウ…」

二人は席に荷物を置くと、京の元へやってきた。

「昨日凄かったよ!すっごくかっこよかった!」

「そうだよ!アイリスさんとあんないい勝負できる人はこの学園にはキョウくん以外居ないと思うよ!」

二人はものすごく京を誉めてくれるが、京は不機嫌なままだ。

「…魔法が使えりゃ勝ててたかもな。」

「えっ…」

「…ションベン行ってくるわ」

居心地の悪さがピークに達し、京は教室を出ていってしまった。

「…なぁビビ、キョウくん今日ちょっとおかしいよな」

そんな京の背中を、二人は心配そうに眺めるのだった。



教室を出たのはいいが、行く当てはない。ただ、今あの教室に居ても良いことがないのは確かだった。

「ねぇ君、これ、落としたよ。」

声が聞こえて振り返ると、賢そうな男がいた。ブレザーを着ており、少しうねった黒髪。身長は170センチ後半ぐらいだろうか、体格は細身ですらっとしている。

「ん…あー、サンキュー。」

京が落としたものはペンだった。ペンを受け取ると、そのまま歩いて行こうとしたが…次の一言で、京の足は止まった。

 

「君ももしかして転移者なのかな…?」

 

 


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