表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/39

第四話

町外れの平野に来た。まずはイナが魔法を見せてくれるという。

「ではいきます…『サンダー』!」

イナが呪文を唱えると、強烈な雷が落ちた。京はあまりに現実離れした状況に、しばらくなにも言えなかった。

「すみません、この辺りは人もいるかもしれないので…初級魔法しか見せてあげられませんが」

(初級…?うっっそだろ、あんなん喰らったら余裕で死ねるぜ…)

「まずは魔力のコントロールから始めましょう。」

イナはそう言うと、手のひらくらいの大きさの石を取り出した。

「この石は魔力に反応して光るんです。私たちが魔力を流すと壊れてしまいますが、初心者が魔力の扱いを練習するには丁度いいんです」

「おう!やってみるぜ!」

とは言ったが、京は魔力の出し方なんて知らない。

とりあえず両手をかざして力を入れてみる。

……光らない。

「…なぁ、魔力ってやつはどんな感じで出してるんだ?なんかコツとかないのか?」

「コツ…ですか、そうですね…体に魔力が流れているイメージで、その流れを手に持って来るのです」

…今の説明で、京は理解出来たのだろうか。

「んん〜…やってみるぜ」




日が傾いてきた。石は光らない。あれから2時間ほど石を光らせるために試行錯誤したが、京は石を光らせることが出来なかった。

「あぁクソッ!全っっ然光らねぇぞ!」

「魔力量が少なすぎて反応していないのでしょうか…」

「もっと力ぁ入れたらイイのか…?流れる感覚をもっと意識して…うおらぁ!!!」


…光らない。

「そろそろ日が暮れますね。町でご飯でも食べましょう。」

「…でも俺金持ってねぇぜ」

「私が払いますよ。あなた、お腹空いてますよね?」

「えまじで?!いいんか!ヤッター!」




町の料亭。京とイナは、二人で顔ぐらいの大きさの肉を食べていた。

「うめぇな!米が欲しくなるぜ!」

「コメ…ですか?」

「そうそうコメ!白いツブツブ?でよ!もっちりしてて肉に合うんだよ!」

京の説明で、イナはイモムシのようなものを想像した。

「それ…美味しいんですか?あなたの居た世界の食文化は変わっているのですね…」

「変わってねぇよ!こっちの飯とそこまで変わらねえって!…こんなサイズの肉は見たことねぇけどな!」

京はふと思った。こんなデケェ肉、いくらするんだ?払ってくれるとは言ったが…本当にいいのか?

「あそうだ、魔力のトレーニングの事ですが…明日はモンスターと戦ってみましょう」

「…へ?もんすたー?」

「戦ってると勝手に魔力が扱えるようになってたりするものですよ、実戦あるのみです」

「モンスターって…?どこにそんなヤツいるんだよ、ゲームじゃあるまいし…」

ここまで言って京は思い出した。ここは異世界。なにが起きても不思議ではないのだ。人が雷を撃とうが、その辺にモンスターがいようがそれは不思議ではない。

「…いや、なんでもねぇ。そのモンスターってのは俺でも勝てそうな相手か?魔法なんて使えねぇけど」

「この世界に住んでいる人全員が魔法を使える、というわけではないのですよ。私のように雷を落とせる人間は少数、3割くらいですね。明日戦うのは、魔力ゼロでも勝てるようなモンスターです。」

「へっ!じゃあ大したことなさそうじゃねぇか!いいぜ!ボッコボコにしてやる!」




明日、京はこの異世界の洗礼を受けることになる。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ