第三十七話
「セファエル君!口を慎みなさい!」
先生が怒鳴る…が、セファエルは止まらない。
「だって事実でしょセンセー!こんな奴が出るのはおかしいでしょうよ!それに…」
セファエルがアイリスを指差す。
「なんでアイリスさんは出ないんだ?」
アイリスは少し困ったような顔をする。
「私はヴィクトリー家の人間だからね…そういうのには出ないんだ」
「はぁーん…こんな庶民っぽい大会には出たくないってか?」
アイリスは更に困っている。
「はぁ…そういう訳じゃないんだけど…」
「オイ…困ってんだろ、やめてやれよ」
「こんな雑魚が出て魔力が一番高いアイリスさんが出ねぇのはおかしいハナシだよな!?」
セファエルはかなり興奮している…若干周りも引いている。
「あぁクソ!もういい!」
京がセファエルに詰め寄る。拳は硬く握られている…
「今集まってるヤツらで戦って…そん中で一番強え5人が出りゃいいだろ」
「…はぁ?お前が俺に勝てると思ってんのか?」
「当たり前だろボケが、なんでオレがお前に負けんだよ」
一触即発…だが、今ケンカを始めればどちらも試合には出られない。微妙な雰囲気になってしまった。
「じゃあ、今日の昼休みに全員中庭に集まれ。そこで決めるぞ」
少し時間が経ち…昼休みになった。
京は裏庭に出ると、壁を思いっきり殴った。
「あぁクソ…絶対ぶっ殺ス!!」
朝はなんとか堪えたが…ずっとイライラしていた。もしこのまま中庭に行ってしまえば、本当に殴り殺してしまうかもしれない。だからこうして少しでも落ち着こうとしているのだが…。
「中庭、行かないの?」
声が聞こえ振り返ると、アイリスがいた。
「あぁ…ちょっと落ち着きたくてな。」
「相当イラついてるみたいだねぇ…やりすぎちゃダメだよ」
「あー…分かってるぜ!」
殴り殺す、とは言ったが…セファエルもかなりの実力者だ。確実に勝てる保証はない。
「セファエルの魔力量は…大体800ぐらいだったか?ウォンよか全然マシだが…」
「彼は上級魔法も使えるみたいだよ…水属性適正が高いみたいだし、多分キョウのメラは効かないと思うよ」
「魔法なんざ無くても余裕だっつの!防御さえ出来れば余裕よ」
京はアイリスに別れを告げ、中庭へ向かった。




