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第三十六話

あれから一ヶ月が経過した…。あの日の惨劇が嘘のように、時間は穏やかに進んでいった。あれから京も魔法の勉強を通してほんの少し成長し、魔力は12まで上昇した。

今日もウォンと共に学校へ向かう。道中で、闇の魔力を持つもの達の話をした。

「なぁ…アイツらの目的は封印を解くことなんだろ?にしちゃあ少し動きがなさすぎないか?」

ウォンは少し考えるような仕草をする。

「確かにな…全くといっていいほど動きがない。奴らが何を企んでいるのかは、俺達では知る由もないがな」

「ハッ、考えるだけ無駄か…今は力を付けるのみだな」


学校へ着くと、なにやら校内が騒がしい。それもそうだ、あと一週間で、クラス別の『大会』が開かれるのだ…。

話を聞く限り、クラス対抗で魔法を用いて戦う運動会のようなものらしい。入学試験の時のようなものだ…が、今回は武器、防具の使用は禁止されている。

「俺は正直、大会でお前と当たりたくはないぞ」

「え?なんでだよ…あ、試験の時みたいに殴られんのが嫌なんだな!」

「…お前が暑苦しいからだ」

ウォンと別れクラスに入ってみると、大会の話で持ちきりだ。

「この大会で勝ち上がれば、アイリスさんもオレに振り向いてくれるかも…!」

話し声が聞こえてきた。アイリス…どうやらモテているようだ。


時間になると先生が入ってきて、いつも通り朝礼が始まる。

「では…これから大会に出る生徒を決めていきましょう」

大会には全員が参加出来る訳ではない…30人いるうちの5人が参加する。残りは観戦するだけだ。

「ねぇ、キョウくんはもちろん参加するよね!」

京の隣の席…ザックが話しかけてきた。

「あぁ…もちろん参加するぜ。魔力量が少ないからって馬鹿にしてくる奴らを黙らせんだよ!」

ザックは嬉しそうな顔をする。なんでコイツは喜んでるんだ…?

「だよね!キョウ君はすごく強いから…絶対に優勝できるよ!」

しかし、なぜこのような大会を開くのか?力比べは試験で十分やったのに…。

「では、参加したい生徒は手を挙げてください」

手を挙げたのは…京を含めた10人。周りを見て京は驚いた…アイリスは手を挙げていない。参加する気はないようだ。

(なんだよ…アイツ、参加しねぇのか…つまんねぇな)

「…ではこの10人で誰が参加するか、まずは話し合って決めてください」

手を挙げていたメンバーが集まる。一ヶ月弱の学校生活を経て、クラスメイトとはある程度仲良くなっていったが…京の魔力量を蔑むような連中も多い。このメンバーのほとんどはそういう奴だ。

「オイ…なんで魔力が2しかねぇ奴が紛れ込んでんだ?」

そんなメンバーの筆頭…セファエルが京を睨む。

「実習でも失敗してばかり…まだメラしか使えねぇようなお前が?なんでエントリーしようとしてんだァ?なぁ、お前らもそう思うよな?!」

セファエルはデカい声でクラス中に問う。何人かは笑っている。

「おいサンザ、お前もなんとか言ってやれよ!入学式の時もケンカしてたよなぁ?」

サンザはビクッとすると、京のほうを見る。京と目が合う。京は…まるで般若のような形相をしている。ブチ切れる寸前だ。

「あっあ…そ、そうだね」

サンザは目を逸らしてしまった。

(へへ…アイツはオレにビビってんだな、まぁあれだけボコればそうなるか…)


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