第二十六話
「オラァ!!手ェ上げろォ!」
中に侵入すると、京は大声で叫ぶ。すぐにリザードマンが姿を現した。人型のヘビのような見た目で、軽い鎧を身につけている。
「なっ!なんだテメェら!」
リザードマンは驚いているようだ。そんなこともお構いなしに、京は顔面に蹴りを入れ、リザードマンを倒した。すると、奥からゾロゾロとリザードマンが現れる。
「うおっ…!多いな」
「一気に片付けるぞ、準備はいいな?」
「テメェこそ足引っ張んじゃねぇぞ!」
リザードマンが一斉に突っ込んでくる。京は手当たり次第にリザードマンをぶん殴り、ウォンも打撃と魔法でリザードマンをなぎ倒していく。あっという間に30ほどいたリザードマンを倒してしまった。
「さぁーーて、こっからが本番だぜ」
そういうと、京はスキルを発動…『気合』を手に取る。その先端にはなにか赤いものが巻き付けられている。爆弾だ。
「おっ!やっぱりな…大成功だ」
奥からまた20体程のリザードマンがやってくる。
「キョウ、距離があるうちにやれ」
「ハイハイ、火ぃ付けてくれ」
ウォンが魔法で京の爆弾に火を点ける。そして、爆弾付きの『気合』をリザードマン軍団の元へと投げつけた。
「あ?なんだ…」
ドッと大きな音がし、丁度いい位置で爆弾は爆発した。また一気にリザードマンを殲滅することが出来た。
「よぉっし!作戦どおりだな!」
「残すはここの『ボス』だけだ…行くぞ」
京とウォンは、巣の中を歩いてみた。かなりの規模で、2階、3階と続いており、金目の物も見つけた。だが…ここのボスは見当たらない。1階に戻ると、地下に繋がる階段を見つけた。
「…こんな階段、さっきまであったか?」
「ここのボスが隠していたのだろう…俺たちに来いと言っているんだろうな」
階段を下ると…そこには長い廊下があった。廊下を進んでいくと、大きな門。この先に『ボス』がいるのだろう。
「フン…大袈裟な門だ。魔王気取りか?」
「まぁいいじゃねぇか。サクッと倒してやろうぜ」
門を蹴り破ると、そこには今までのリザードマンよりもかなり大きい、いかにもボス、のような見た目のリザードマンがいた。玉座のような大きな椅子に座っている。
「あれがリザードマンのボス…グレイザードだ。今までのザコ共とは違うぞ、気をつけるんだな」
ウォンが構える。グレイザードの鋭い眼光が、京たちの方へ向けられる。
「貴様ら…たった二人でここまで来たのか?」
「あぁ!そうだぜ…アンタの部下、もっと鍛えとくべきだったな」
「フッ…貴様らの軍は、二人で我を倒しに来るほど人が少ないのか?」
「…何を言っている」
どうやらグレイザードは、京とウォンが軍の人間だと思っているらしい。
「…んなこたどうでもいいんだよ!さっさと始めようぜ!」
京はスキルを発動、『気合』を取り出した。そして、一気に間合いを詰める。ジャンプして思いっきり頭をぶっ叩く。しかし…あまり効いていない。腕を掴まれ、そのまま投げられてしまった。
「うおわっ…!」
京はそのまま壁に激突、なんとか受け身を取ることが出来たが…これでハッキリと分かった、さっきまでのザコとは違う…。
「死ねィ!」
ウォンが風の刃を飛ばす。だが、硬い鱗に覆われた皮膚は、風の刃を一切通さない。ウォンは距離を詰め、至近距離で火の球を放ち爆発させる。グレイザードが少し怯む、そこに一気に距離を詰めてパンチを打ち込む。風の刃と拳の同時攻撃…しかし、思ったよりも効いていない。あまりにも鱗が硬い…。
「うおぉっ!どけぇっ!」
京がまた距離を詰める。そして伝家の宝刀、金的を繰り出した…だが、想定外の事態だ。
「…どこを狙っている」
コイツには…急所がない。しかもめちゃくちゃ硬いので、蹴り上げた京の足が逆にダメージを負ってしまった。
「いってぇ…!うっそだろ…?!」
「…目障りだ!」
グレイザードが京を、続けてウォンを殴り飛ばした。
「うがっ…!!」
ものすごい力だ…ガードの意味がない。思いっきり吹っ飛ばされ、京とウォンは壁に激突した。




