第二十三話
その後も実技は続いた…。
「あの的にメラを当ててみてください」
出ないので落ちていた石を投げて的を倒した。
「この木の板を燃やしてください」
全部殴って粉々にした。流石に燃やせない。
「先ほどの人形に全力の魔法を撃ってください」
思いっきり殴って蹴ってボコボコにした。
これまでの京の行動に、流石に先生も呆れたような顔をしていた。
クラスメイトたちもかなり驚いている。アイリスは爆笑していた。
「アッハハハ!毎回よくそんなの思いつくね。殴ってるだけだけど」
「うるせぇ!でもオレ一番人形ボロボロに出来てるぜ?!」
今までなら即座に元通りになっていた人形は、まだ粉々になったままだ。京は先生に質問する。
「なぁ先生、オレ、魔力2しかないんすよ。どうすれば魔力増えますか?」
「…魔法の練度が上がっていけば、自然と魔力も大きくなっていくものなのです。つまり、魔力を増やすには魔法を使い続ける必要があります。しかし、あなたは…初級魔法のメラすらも使えない」
そもそも修行すら出来ない、ということらしい。魔力がここまで少ない人はほぼゼロに等しいので、このような場合はどうすべきか、先生もわからないのだそうだ。京は絶望した。
「少し休憩にしましょう」
実技が一旦ストップされる。あれから京は、すべての課題を物理的にコンプリートしていった。悔しさを噛み締めながら立っていると、二人の同級生が声をかけてきた。
「ねぇキョウくん!君ほんとにすごいね!あの人形、僕の魔法でも壊せなかったのに、パンチで壊しちゃうなんて!」
「シュシュってなっててすごいカッコよかった!入学試験のトップ10に入ってたのも頷ける!」
純粋な京の身体能力を誉めてくれているようだ。
「へ、へへっ…そんな急に褒めんなよ!照れちまうだろ!」
「僕はザック!それでコイツはビビ!」
「アタシはビビ!よろしくね!」
「オウ、オレは桂威京だ!よろしくな」
魔力が全くないので、あまり友達もできないかもしれない、と不安だったが…思ったよりも良いスタートだ。
「休憩時間はこれで終わりです。それでは、これから必要のある者はスキル鑑定を行います。」
「すきる…?」
見かねたザックが京に説明してくれた。
「スキルっていうのはね、個人が持ってる特殊な力なんだ。例えば僕だったら、魔力の回復が他の人より早い、てな感じでね。ほとんどの人は自分のスキルを自覚してるから、必要のある人は、て先生は言ってたんだ」
「へぇ…!!そのスキルってやつがあれば、オレももしかしたら魔法みてーなのが使えるかもしれねぇな!燃えてきたぜ!」
「かもねぇ、行って来なよ」
後ろから声がして振り向くと、アイリスがいた。
「うおっ!てめぇいつの間に!」
「あっ!アイリスさん!」
ザックとビビも驚いていた。
「…まーいいや。先生んとこ行ってくるぜ」
そうして京は先生のところに行き、スキル鑑定をしてもらった。よくわからないデザインの帽子を被せられ、目隠しをされる。すると…頭の中に自分のスキルの使い方が流れ込んできた。これなら、すぐにでも使える。帽子と目隠しを取ると、先生が質問してきた。
「あなたのスキル、問題なく理解できましたか?」
「…あぁ、バッチリだぜ!」
5分程度だろうか。アイリス、ザック、ビビは、京が鑑定に行っている間談笑していた。すると、すごくニコニコした京が戻って来た。
「お!おかえり、キョウ…随分とゴキゲンだね」
「あぁ!そりゃあもうゴキゲンだぜ」
「キョウくんのスキル、どんなのだったの?」
京はフンっと鼻を鳴らすと、おもむろに手を前にかざす。すると…
約20センチほどの鉄の棒が現れた。
一同は唖然。京は自慢げな顔をしている。何と言えば良いだろうか…そう考えていると、アイリスが沈黙を破った。
「…それだけ?」
「あぁ、すげぇだろ?まさに魔法だ…ザック、ビビ!すげぇだろ」
ザックが重い口を開く。
「…クソだね。」




