表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/79

第二十一話

次の日、アラームの音で目を覚ます。大きな欠伸をするとベッドから起き上がり、寝癖を直す。この世界にはドライヤーなどというハイテクなものは存在しないが、代わりに魔法アイテムがある。円形で、丁度片手で持てるぐらいのサイズだ。乾電池のようなものを差し込むと、そこに蓄積された魔力を消費して温風を出すようだ。

「うっわなんだこれ、使いにくいなぁ…」

なんとか髪を乾かすと学ランを着て下の階に向かう。この寮は朝食と夕食が付いている。下に行くと丁度ウォンが朝食を食べていた。

「お、ウォンじゃねぇか」

「…ああ、キョウか」

軽く挨拶を交わし、二人で朝食を食べると、そのまま学校へと向かった。正門をくぐると、大きく紙が張り出されていた。クラス表らしい。

「お、これクラス分けじゃねぇか?」

「そのようだな…」

クラス分けを見てみると…京は二組、ウォンは三組だった。

「あら…クラス違うな」

「あぁ」

「オイオイ、そんな落ち込むなって!別に死ぬわけじゃねんだから」

「貴様の頭はお花畑か?どう見れば俺が落ち込んでいるように見えるんだ」

「へへ、朝っぱらからイライラしてんじゃねぇぜ?」

「貴様がイライラさせているんだ…死ね」

ウォンはそう言い残すと、三組の教室に入って行ってしまった。ウォンの後ろ姿を見送り、京も二組の教室に入る。中に入ると、二組の奴らが一斉に京の方を向いた。

「え、あれって魔力2の…」「マジかよ、このクラスだったのか…」

どうやら京はかなりの有名人らしい。もちろん悪い意味で。

「魔力2?マジかよ聞いた事ねぇぜ!」

一人の生徒が京に近づいてくる。いかにもワルそうな顔だ。

「オイ、お前…今日から俺の下僕な」

なんだコイツは…いきなりなにを言い出すんだ。ジョークにしても面白くない、初日からドスベリだ…。だが、こいつは本気らしい。

「魔力がねぇヤツには人権なんてねぇんだよ…ココはそういう場所だ。お前みたいな奴は、こき使われる運命なんだよ」

こんなことを普通に言えるやつがいるのか…寒すぎる。京は思わず吹き出した。

「プッハハ!そこまで来るとウザい通り越して面白いぜ…」

クラス内がざわつき始めた。京もかなりイラついており、一触即発の雰囲気だ…すると、また一人の男子が立ち上がる。

「おい、ちょっと待てよ!そいつ、入学試験のトップ10に入ってたぞ!一年の中で2番目に魔力が高いウォンにも勝ってた!」

「…は?それマジで言ってんのか?」

絡んできた男子が怪訝な顔をする。彼は入学試験を見ていなかったようだ。

「ハッ、どうせイカサマでもしたんだろ。そんなカスみたいな魔力でアイツに勝てるわけないだろ?」

「イカサマって…そういうのはあのオニキスとかいうぼっちゃまに言ってくれよ。俺は正々堂々と勝ったんだぜ?」

「そうだな…じゃあ俺と勝負しろよ。そこまで言うんなら出来るんだよな?」

どこまでもぶっ飛んだ野郎だ…。入学ほぼ初日に喧嘩するバカがどこにいるんだ。

「いやしねぇよ…なんでテメェとやらなきゃなんねぇんだ?」

「逃げるんだな?ほらやっぱりな!コイツはイカサマで勝ったんだ!」

「いやなんでそうなるんだよ…」

やばい、ぶん殴りたい…しかし京はそんな気持ちを抑える。初日に面倒ごとを起こすわけには行かない。そんな事をすれば、今まで助けてくれたイナに面目が立たない…。

「ちょっと、君たち…なにを騒いでるんだい?」

聞き覚えのある声…アイリスだ。どうやら同じクラスだったらしい。

「って、あれ?キョウじゃないか。昨日ぶりだね」

アイリスが教室に入ってくると、クラスがさらに騒がしくなった。

「えっ!あれってあのヴィクトリー家の…?!」「一緒のクラスかよ!」

京に絡んできた男子も、アイリスの登場に面食らっている。

「…で、外まで声が聞こえてたよ。キョウ、初日からなにやってんのさ…」

「バッカ違えよ、なんもしてねえって!」

「へぇ…ねぇ君、キョウになにかされてない?」

絡んできた男子がビクッとした。体が強張っている。

「いっいや…なにも、されてません…」

「なんで敬語なのさ、同級生だろ?タメ口でいいよ。コイツみたいにね」

アイリスは京を指差す。

「うっさいぜ」

男子は少し悔しそうな顔をして、逃げるように席に戻って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ