第二十話
「おかえり、キョウ…フッ」
「てめぇなに笑ってんだ!あぁクソッ、最悪だ…」
戻るなりアイリスに笑われて、京はかなりイラついた。この魔力測定でクラスが決まるのだ、まずこの二人と同じクラスになるのは不可能だろう…。
「これでクラス分けされるってことはよ…多分あんたらとは違うクラスだなぁ…」
「いや、魔力の低い人だけでまとめたり、高い人だけでまとめるわけじゃないから…まだ私たちが同じクラスになる可能性はあるよ」
「おっ?そうなのか!」
「なに?私たちと一緒のクラスになりたいの?」
「は?別にそんなんじゃねぇし!それにこんなダンマリ狼と一緒のクラスなんてゴメンだぜ!」
「ダンマリ狼…?俺のことか」
「フフッ、まぁ組み分けは明日決まるから、今日は解散だね。それじゃ、私はこれで!」
アイリスは手を振って去って行った。京とウォンが残される。
「そういえばよ、ここって寮あるんだよな、もう住めんのかな」
「あぁ…今日から寮の部屋に住めるぞ、俺も寮だ」
「お、そうだったのか!じゃあ寮まで一緒に行こうぜ」
学校から少し離れたところに、大きな建物がある。その建物はかなり綺麗で、ちょっと高いホテル、みたいな見た目だ。
「え…?これが、寮?」
「あぁ、そうだ…」
「めっちゃキレイじゃねぇか!もっとボロっちいのかと思ってたぜ」
「ここは結構な値段だからな…トップ10に入れてよかったな、じゃなきゃ貴様は今頃借金地獄だ」
「うっ…アブネェぜ…」
扉を開けてみると、ロビーのような作りになっており、受付らしき人がいる。受付の人に今日もらった学生手帳とよく分からない紙を見せると、部屋の鍵を渡してくれた。ウォンも同じような手順で、部屋の鍵を受け取った。
中に入ってみると、部屋はそこまで広くはないが、すごく綺麗だった。本当にホテルみたいだ。広くはないがキッチンのようなスペースがあり、風呂とトイレは別…湯船に浸かる事が出来そうだ。
「まっまじか…とんでもねー部屋だな、オレん家より全然キレイだ」
「ある程度家具も揃っているようだな」
ある程度の手続きはイナがやっていてくれたらしい。まるで母ちゃんだ…京はイナに心から感謝した。荷物を置いて、今度はウォンの部屋を見に行ってみる。流石に京の部屋とほぼ同じだった。
「…てかてめぇ、部屋近ぇんだよ…」
「俺が選んだわけじゃない…」
京の部屋は506号室。一つ開けて、503号室がウォンの部屋だった。これからウォンには色々と世話になりそうだ。
「じゃ、俺は寝る」
「寝る…?まだ夕方だぜ」
「じゃあな」
ウォンは部屋に鍵をかけてしまった。仕方ないので、京は自分の部屋に戻った。戻ってみるが、なにもする事がない。スマホも使い物にならないし、テレビもない。この世界にはテレビがないようだ。
「うわ…暇だな、ちょっと散歩すっか…」
エレベーターなんて当然ないので、仕方なく階段を使って下に降りる。外に出ると、夕陽がすごくキレイだった…。
「はぁ…癒されるぜ、詩でも読もうかね」
木の葉の擦れる音、涼しい風…。暑くも寒くもない、散歩日和だ。
1時間程歩いただろうか…。寮の近くに戻ってきたので、トレーニングを始めた。まずは腕立て…丁度良い木を使って懸垂、スクワット、ショートダッシュ…手頃な錘がなかったので自重のみだ。良い感じに汗をかいてきた…次は、魔力のトレーニングだ。
「イナとやったように…集中して魔力が流れるイメージ…」
…矯正スーツのお陰で少しは魔力の流れを掴めてきた。分かる…魔力の流れが、分かるようになっている。
「こっ…これかぁぁ」
集中する…流れが、鮮明になってくる…京は、カスのような魔力を制御することに成功した。
「…はぁ、こんなもんか」
気がつくと、夕陽は沈み月が出ていた。京は脱いでいた学ランを手に取り、部屋に戻った。明日から本格的に学校生活が始まる…




