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第十八話

京は、1人で魔法学園の正門まで歩いてきた。

ここに来たのは、あの試験の時以来だ。入学式というのもあって、辺りは人でごった返している。

(あぁクソっ…人が多すぎる…)

しかも校内はかなり広く、一度来たことがあるはずなのに道が分からない。しかし、頼れるイナもここにはイナい。誰かに道を聞こうか、と考えていると、

「おいキョウ、こっちに来い」

誰かの声がする…聞き覚えがある声だった。すると突然腕を掴まれ、引っ張られる。

「うおっ?!なんだてめ…」

声の主の顔を見て、京は驚きを隠せなかった。

「オメェは…ウォン?!」

「あぁ、ウォンだ。覚えていたのか…」

「そりゃあ覚えてるぜ…試験の時は世話になったな」

「…あぁ」

会話も早々に、ウォンがこっちに来い、と親指で示した。言われた通りウォンについていくと、入学式会場の文字が見えた。

「おお!ここか!」

「…もうすぐ式が始まる、行くぞ」

ウォンが足早に会場に入っていく。京もなんとか人混みの中ウォンについて行き、会場の中へ入った。


「そういやウォンよ…アンタ、俺のこと嫌いじゃねぇのか?」

「…どうしてそう思う」

「いやいや、試験の時のあの態度…敵意しかなかったろ。正直よ、オレは今あんたにあんまいい印象はねぇぜ」

「試合は試合だろう。敵と馴れ合う必要はないが、俺はこの前の試合で少しは貴様のことを認めている…。転移者なんだろう、なら当然分からないことも多いはずだ」

「……アンタ、思ってたより親切なのな…」

試合中とのギャップに困惑するが、ウォンにはこれから世話になるかもな、なんて思った。すると、静粛に、と大きな声が会場に響く。

ざわざわとしていた会場が、一気に静まり返る。すると、奥から1人の男が出てきた。

「諸君!まずは入学おめでとう。私はここ、

ティアー国立魔法学園の学園長、ヴィセルダンだ。」

ヴィセルダン…この学園の偉い人らしい。見た目からもう偉そうだ。学園長ヴィセルダンは話を続ける。

「諸君に問おう。諸君はなぜ、魔法を学ぶ?強くなるためか?誰かを守るため?それとも名誉を得るためか?…私は、魔法を学ぶ意義は、その全てであると考える!なりたい自分になる為に行動する事こそが、最善の行動なのだから!」

どうやら異世界でも、入学式のお話はつまらないらしい。横を見ると、ウォンもつまらなさそうな顔をしている。

「大魔導師アズヴェールはこう言った!魔法こそが人生だ、と!彼にとって魔法とは人生、突き詰める道だったのだ。そんな人生の核を持った人こそが、誰かに憧れられる人間になるのだ!」

早く終わんねぇかなぁ…。



「…では、これを以てお祝いの言葉とさせていただく。」

拍手の音が聞こえ、大きくなっていく。とりあえず京も拍手をしている。ウォンは…立ったまま寝ている。


それから、色んな人の長ったらしい話を聞き、入学式が終わった。

これから組み分けの為の試験が始まるらしい。

「貴様とは同じクラスになれそうにないな…フン、クズが」

なんだコイツは…認めていると言ってみたり、クズと言ってみたり。

「おいおい誰がクズだ!また試験の時みたくボコってやろうか?!」

「ハン、上等だ…今度こそボロ切れにしてやる」

なんて言っていると、間に誰か入ってきた。

「ちょっと君たち…これから組み分けなのに、なに喧嘩してるんだい?」

声が聞こえ、振り返るとそこいはアイリスがいた。

「あっ!アンタは…!」

「貴様は、ヴィクトリー家の…」

アイリスは二人を見てため息をつく。呆れたような顔だ。

「ケンカなんてしてないで、魔力測定がどんなものか見に行ったらどうだい?貴方達、やったことないでしょ」



魔力測定がどんなものか、3人で会場に来た。会場の真ん中には水晶玉のようなものが置かれていて、そこに手をかざすと数字が浮かんでくる。多くの学生がその現場を見ている。

「次、アリサ・ウォーベン!前に来てください」

名前を呼ばれた生徒が前に出てくる。生徒が手をかざすと、大きく

「300」と表示された。


これは、まずいかもしれない…。





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