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あまりにも醜い星の民

作者: 小雨川蛙
掲載日:2024/11/30

 

 ある日、地球へ宇宙からの侵略者がやってきた。

 彼らはその気になれば一瞬にして文明を無に帰すことが出来るほどの技術を持っていたが、そんな愚かな侵略をするつもりはなかった。

 これから侵略する地球の文明を破壊するということは、それはそのまま再生という手間をしなければならないと言う意味にも繋がるからだ。

 彼らは無意味なことはしない。

 これまでだって侵略をする際には星の住民達を観察して特性を掴み、それが済めば自分達を住民そっくりの姿に変えて彼らを少しずつ洗脳及び調教することで内部から徐々に壊してきた。

 この方法ならば先住民達は勿論、彼らが持つ文明をそのまま乗っ取ることが出来る。

 折を見て侵略者達の好みへと変えていくが、当面の支配を考えるならばこれ以上に優れた方法はないのだ。


 さて、そんな侵略者達が地球に来て半年。

 今までであれば、そろそろ先住民達の特性を掴み行動を始める頃だが……。

「一体何なんだこの星は。低レベルな文明は仕方ないにしても、星に対してのダメージを考慮していない」

「あぁ。これではこの星の寿命なぞ、直に尽きてしまう」

「挙句の果てには何なんだ、彼らは……子供の内であれば多少の無礼は仕方ないと言えるが、大人になっても成長をしない者があまりにも多い。誰彼構わず足を引っ張り、表じゃ人を称賛するのに陰では人を貶めている」

「純粋無垢である子供の頃の方が人に対して思いやりがある者が多いと言うのは一体どういうことなのだ」

「ただでさえ星の寿命は尽きかけているのに、こんな輩を支配したところで、また一から調教をしなければならないではないか」

 そんな事を口々に話していたが、やがて侵略者達の長が言った。

「こんな星を取るなんて辞めよう」

 その言葉に皆は納得し、侵略者達はそのまま地球から去っていった。


 侵略者が消えて地球は当面の安全を得たと言える。

 しかし、根本的な解決はされていない。

 人々は今日も『子供でもしない言い訳』や『子供でもしない立ち居振る舞い』をしながら地球の上で生きている。

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― 新着の感想 ―
 地球人を云うも、半年を居て侵略者もまた人のふり見て我がふり直せを知らぬ不届き者故か、悲しいかな世の大人とは何かを宙から見せられて尚、世紀末を迎える準備が整って行く事だけは確かなようですね。
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