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陽葵の見えるもの  作者: チュン


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第6話、「陽葵の前にスサノオ!?」(1)

 夏井陽葵、赤井舞の二人が、超能力者・柴原葵に出会った、

年少者向けの10日間教団入門プログラム

 が終わると、後日、二人は待ち合わせて、教団が柴原葵、柴原達夫夫妻のために用意した研究室に、何度か訪れることになった。

 そこで陽葵が感激したのは、柴原達夫氏考案の特殊な鏡を通して、陽葵が自らの守護霊メアリーに対面したことである。メアリーの前世の名前は、山川蒼月といい、日本の江戸時代、大きな尼寺で、尼僧の教育係りをしていたそうだ。人の世話をするのが、その頃から大好きで、仕組みの詳細は分からないが、それもあって、今回、夏井陽葵の守護霊を買って出たという。

 夫妻の中でも、陽菜の守護霊にとりわけ大きな興味を抱いたのは、柴原葵で、葵の質問を、陽葵がメアリーに伝え、メアリーの回答を聞いたら、それを葵に伝える、といった作業を繰り返し進めるうちに、メアリーの前世の記憶など、陽葵のメアリーに対する理解がどんどん深まっていくのを、陽葵自身がワクワクしながら体験した。

 ただ、その時点では、大名古屋大学・浜井徹の疑問、

「彼らは何者か?彼らは何のために、そこにいるのか?いるだけで、その目的は果たされているのか?」

 といった内容についての詳細な理解は深まらなかった。

 一方、舞に大きな関心を抱いたのが、柴原達夫だ。帝国大学教授でもある彼は、

「赤生舞さん、並びに、彼女の守護霊・松下ありささんがお持ちの、気のエネルギー。もしも、その気のエネルギーを自由に取り出し、自由に使うことができたなら、今も世界ではびこる、貧困・戦争による悲惨の多くを、なくすことが可能になるかもしれない」

 と陽葵と舞に宣言し、意欲的に舞に数々の実験を実施した。ただ、実験といっても、舞の体を傷つけたり、精神的な負担をかけるようなものではなく、舞への問いかけやデータ収集といったものがほとんどだったが、陽葵は、学問好きの舞が、日増しに柴原達夫教授への信頼感を深めているのを感じた。

 陽葵と舞が研究室に訪れるのは、夫妻の活動の拠点が東京、ということもあり、月に1、2回。教団へは車ではなく、お互いの家が2つ離れた地下鉄駅付近にあったことから、駅で待ち合わせ、地下鉄を利用したが、そんな出会いを重ねるうちに、陽葵と舞は、普段もスマホを使って、連絡を寄り合うようになっていた。

 そして、最初の出逢いから、数カ月過ぎた、その日。その日は、舞が突然の用事で、少し遅れるとの連絡があり、陽葵は、一人で地下鉄駅から教団へと歩いていた。

 駅から教団までは、歩いて5分ほど。

道標教地域本部

 と書かれた、大きな門をくぐれば、教団の敷地なのだが、その門に近づいた陽葵は、恐怖に似た感情で、思わず立ち止まった。何故なら、教団の門の前に、教団の5メートルほどある門と、同じくらいの背丈の大男が立っていたのである。

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