第5話、「陽葵、憧れの超能力者に出会う!」(3)
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陽葵の問いに、まず答えたのは、大谷珠代だった。
「柴原葵さんかぁ。実は私も、会ったのは、この前が初めてなんだよね。でも、今度、合宿の統括責任者になった喜多朋広さんは、教祖派だったね。一度、相談してみるよ」
続いて矢井田太郎も笑顔で話し出す・
「驚いたな。僕、大名古屋大の浜田ゼミ生だよ。浜田先生は嘘は言わない。僕も陽葵ちゃんに見えているのは、守護霊だと思うよ」
すると、それに反応したのは、大谷だ。
「守護霊?守護霊ってホントなの。だったら、私とか、矢井田君の守護霊も見えるの?」
陽葵は、また、この質問かと思ったが、答えた。
「矢井田先生に見えるのは、女の人。白い服を着てるから、お医者さんかな。大谷先生に見えるのは、野球のユニフォームを着た。カッコいいお兄さん。ドジャースの人?」
と、その時、
「なら、私は?」
と話しかけて来たのは、赤井舞だった。舞も、知らないうちに、ヘッドホンをはずし、話を聞いていたのだ。
「舞ちゃんの守護霊は、とっても素敵な看護婦さん。いつも優しい眼差しで舞ちゃんを見つめ、いつも舞ちゃんを心配そうに見守っている。舞ちゃんの守護霊はホント」
とまで言ったら、舞が口を開いた。
「そうなんだ、何となく、そんな気もしないでもないかな」
と、その時、陽葵は思い出した。高直師が部屋に訪れた時、その、舞の看護婦さんの守護霊が陽葵に近づいて来て、
「舞を、舞を、助けてください」
と言ったのだ。陽葵は看護婦さんに話しかけられたのである。
陽葵は、その事実を、この場で、矢井田や大谷に聞きたい気がしたが、ためらった。ひょっとして、それは守護霊の秘密のようにも思われたからだ。陽葵は、舞の上に映る看護婦さんを見たが、特に反応はない。質問の仕方を変えることにした。
「教えてください。守護霊というのは何ですか。何故、その人なんですか?そして、守護霊は、何のために、そこにいるのですか?」
陽葵の質問に、少し考えて反応したのは、矢井田だった。
「いやいや、陽葵ちゃん、それは、すごく難しい質問だよ。浜田先生でも分からない問題が、僕に分かる訳はない。でも、彼らがそこにいるのは、それなりの目的があるからだろうね」
続いて、大谷は、
「そう、それこそ、柴原葵さんに聞くべきよ。よし、私、今からでも喜多さんに会って来るわ」
と、そこで、突然、傍らの舞のパソコンの堕面を見て、矢井田が驚きの声を出した。
「おおおお、舞ちゃん。君は中学校レベルの数学、終わったみたいだね。君はひょっとして、俗にいう天才かな。んんっ?陽菜ちゃんの方は何と言うべきか、せめて算数、算数だけは小学校1年生レベルはクリアしようね」




