第4話「陽葵に救いを求めたもの」(3)
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二人がベッドに横になり、二人の担任である、大谷珠代が部屋の電気を消して部屋を出ると、いろいろあって疲れたからなのか、陽葵はあっという間に眠りにつき、朝を迎えた。
陽葵が起きたのは、午前7時くらい。食堂で朝食を摂り、昨日と同じ広めの教室に入ったのは、午前8時を少し過ぎた頃だった。
陽葵が気になったのは、舞が、何度も陽葵の腕をつかんできたこと。舞の不安感が陽葵に伝わって来て、陽葵は昨日、頭に響いたメアリーの声、
「仕方ない、舞ちゃんを守ってあげよう」
を改めて、心に響かせた。
宗教の授業の初めはDVD視聴で、タイトルは、
「お釈迦様の生涯」
というものだった。陽葵は、昨日暴走した基が来ていないのに気づき、いつ彼が現れるのか気にしていたが、結局はDVDが終わっても、基は現れなかった。
その後、小学生のメンバーだけが、別教室に移動したが、教室に入ると、舞に話しかけて来たのが、石崎恵だった。
「ねえ、あんた。あんた、高先生の特別プログラムに出るの?」
舞は、何も答えず、陽葵に近づき、すがるように腕を取ったが、恵はそれを気にすることなく、言葉を続けた。
「うちのママ、道標教の地域支部長なの。だから、娘の私も、それなりに期待されているみたいなんだけど、もし、あなたが高先生の特別プログラムに出るなら、私のことも推薦してくれないかな。行くなら、一緒に行こうよ」
それに答えたのは、舞ではなく、陽葵だった。
「舞ちゃんは、そんなの出ないよ」
陽葵が、そう言うと、恵は、
「何、あんた」
と陽葵を睨む。陽葵も睨み返すと、
「あ、喧嘩してる。怖いから、帰ろうかな」
と脇で声を出したのが、能戸敏孝だ。それでも、恵と陽葵が睨み合っていると、その時、教室に入って来たのは、順に、この時間の担当・深沢瑞穂と、陽葵と舞の担任・大谷珠代、それと高直師だった。
高直師は、一番遅れて入って来たが、一目散に舞に近づくと、
「舞ちゃん、気分はどうだ?」
と笑顔で声を掛けた。舞が何も答えず、すがっていた陽菜の腕に力を込め、さらに自分に引き寄せると、
「だから、舞ちゃんは昨日のショックから立ち直ってないんです。新たな活動は、もう少し、待ってもらわないと」
と、口をはさんだのは、大谷だった。高は笑顔を浮かべたまま、
「舞ちゃん、心配することなど、何もないよ。それじゃ、またね」
と言って去って行った。
高が去って、しばらくすると、今度は大谷が、
「それじゃあ、また後でね」
と言って、舞の頭を軽くなでると、その時間の担当の深沢を残し、高の後を追うように出て行った。




