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陽葵の見えるもの  作者: チュン


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第3話「陽葵が見つけた友達」(3)

 午前中は自己紹介の後は、高直師統括責任者の、少し長めのお話で終った。高は、

「これからの宗教は、科学だ」

 と「宗教と科学の融合」についての話をしたようだが、陽葵にはさっぱり分からなかった。その後は、給食の時間となり、担任の大谷珠代ら数人が加わり、児童と給食を共に迎えた。

 給食といっても、配膳とかはなく、御膳に乗った料理を調理の人から受け取るシステムで、そこで大谷は陽葵と赤井舞を、自分と同じテーブルにつくように促した。どうやら大谷が担当する二人の児童というのは、陽葵と舞のようだ。

「この後、午後は学習室でのお勉強になりますが、時間はまだ、たっぷりありますから、給食、ゆっくり食べてくださいね」

 大谷はそう言うと、自ら給食を食べ始めた。

 ここで陽葵は、舞と向かい合って座ったので、改めて舞の頭上に浮かぶ人が目に入った。だが、陽葵はそれを見た途端、目を奪われた。見えたのは、色白の清楚な感じの美しい女性で、服装は陽葵の知る看護婦さんの服装だった。女性はほのかな微笑みを浮かべていたが、その微笑みと共に、時々キラキラした光が、陽葵の目に飛び込んできた。

「光っている?それに、この人は、舞ちゃんに全然似ていない。この人は誰?」

 陽葵の脳裏に浜井徹が発した言葉が、突然、よみがえった。

「彼らは何者か?彼らは何のために、そこにいるのか?いるだけで、その目的は果たされているのか?」

 そんな考えにとらわれていると、その後は、自己紹介の延長なのか、大谷の質問に答える形で、お互いのことが語られた。

 舞の父親はホテルチェーンの社長、母親も日本料理店を各地に展開する会社の社長だそうで、今は二人で商談も兼ね、海外に出張中。そこで、父親の知り合いの教団幹部に、留守の間の娘の預け先として、この合宿を紹介され、参加が決まったようだ。

 陽葵も、いろいろ尋ねられて、母親の勧めで参加したこと、詳細は言わなかったが心の病を疑われていることなど話したが、ふと父親の名前を夏井孝彦だと口に出すと、大谷が、

「まあ、陽葵ちゃんって、夏井先生のお子さんなの。夏井先生の書かれた本、何冊も持ってるから、今度、本にサインを書いてくれるよう、頼んじゃおかな」

 と、半分冗談のような口調で言った。

 そうした会話を交わしながらも、陽葵が、舞に現れた女性に見とれていると、

「陽葵ちゃん、仲良くしようね」

 と、突然、舞から声をかけれ、陽葵は、咄嗟に

「うん」

 と答えたが、陽葵はその時、

友達ができて良かったな

 と心から思った。

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