表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

友達からのお題

ままごと

作者: CH3COOH

 少女が一人でままごとをしている。色々なものをお母さんやお父さん、お兄さんに見立てて。そのモノを動かしてままごとをする。少女自体は幼稚園児、年相応な、何の変哲もない光景だろう。一つだけ変わった点がかるとするなら、人形を使わないことだろう。人の代わりをするはずの人形でなく、お父さん役は白のマグカップ、お母さん役はきれいな髪飾り、お兄さん役は黒のシャーペン。本来の人とは結びつかないものばかりだ。この子の家族はここにはいない。幸いなのか不幸なのか一人だけポツンと生き残ってしまった。この少女はこれから多くの困難に見舞われるだろう。一種の現実逃避としていつかの日常を繰り返しているのだ。そんな少女は虚ろな目をして笑っていた。ここじゃないどこかをみつめて。自分が持っていた幸せを抱えて。今も少女は家族がいないことを受け入れていない。こんなにもたくさんの記憶が幻影を作り出す。誰が彼女に現実を見ろと言うのだろうか。見て見ぬ振りをする。そうして、闇はより少女を飲み込んでいく。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 本当の家族を知らないから、人形ではなく人の形をしていないものを使って遊んでいたんでしょうね。「ままごと」というタイトルがなるほどです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ