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呪詛







次の日、香織達はいつまでたっても大学に顔を出さない昨日までの友人に不安を感じていた。

話し合いで、ミカが登校してきても無視を決め込むつもりだったのだが、昨日見た人形をみな忘れる事が出来ず、正直全員が未だに大学へ来ないミカの事を心配していたのだ。



「…俺、ちょっと様子見てくるわ!」

庸平が駆け出した。ミカのアパートへは大学からなら10分かからない。


「まてよ…


俺も行く」晶仁がそう言うと、5人は一斉にミカのアパートへと駆け出した。









その頃、アパートで―――



『ねぇママ、次はおままごとしよう』


「え…うん。

じゃあママが旦那さんやってあげるからあきちゃんは奥さんね?」


『うん!』






ミカは、『あきちゃん』を刺激しないよう、目にクマが出来ても目玉をくり抜かれるよりはマシ、と昨日の夜から必死で遊んであげていた。

『あきちゃん』は眠る事がない。これが毎日続くと思うとぞっとする

友人達は今頃大学で楽しんでいるのだろう。私のことなど頭から抜けて…………いつもそう。私には上辺だけの友達しか出来やしない。心配してもらおうなど思ってはいない。

でも、やっぱり……


『どうしたの?悲しい顔して。

おままごとしたくないの?』


「えっ、そんなことないよ!

さぁ、始め………」




ピーンポーン。



「郵便かな、ちょっと待っててね?」



『ダメだよ』

鍵を開けようとドアへ歩み寄るが、『あきちゃん』の重い声でピクリ、と制止してしまった。



「えっ、でも………」

ミカはそれ以上口答えが出来なくなった。『あきちゃん』の顔が怒りに歪んでいたからだ。


『あきちゃんはママと二人が良いの。他に誰も要らないの。

ママはあきちゃんだけじゃ嫌なの?』


「違うよ…でも、大事な荷物かもしれないし…」



『あきちゃんより大事なの?』


「わかったよ…」




だんだんと『あきちゃん』の顔は、もとに戻っていった




が………、



「おい!ミカ!庸平だけど…おい!返事しろ!!ミカ!えっ、鍵開いてる…入るぞ…」



その言葉に『あきちゃん』はニヤリと笑った。そして、包丁を手に持ちドアの方へ歩いて行った



「来ちゃダメ!!」

ミカが叫ぶが、手遅れだった…庸平がドアを開けた途端、『あきちゃん』は庸平の胸を突き刺していた。


「がはっ…」

血を吐き崩れる庸平。

再び包丁を振り上げた『あきちゃん』に、晶仁が何かを叫ぶ。


『うぎゃあああ!』

「ミカ!来い!!」

途端に苦しみはじめた人形に他の4人は驚いたが、その隙にミカは部屋から脱出し、晶仁が庸平を抱え、実家へと連れていった。



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