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尋問




「ヒッ……」

声に成らない悲痛な声を漏らし、ミカは目を見開く。そして、『あきちゃん』が言葉を発した

『ママ、ママあそぼ。ママ、ママ』その間も情のかけらも篭らない無気味な笑顔が続く


やっとの思いで動かせた手足をばたつかせ、必死に人形から逃れようとする

恐怖で混乱する頭の中で、正しい答えを探す

「…い……や……いやよ!消えなさいよ!」

もはや足腰に力は入らず、手だけで壁際まで移動する。だが、もう逃げ場はない

追い詰められた形になる


『なんで?ママあきちゃんの事嫌いなの?』

「いや…来ないで!あんたなんかもう要らないの!!」そう言った途端、彼女の顔には激しい憎悪があらわれた



『ママ、あきちゃんの事嫌いなんだ。そうなんだ。じゃあ一緒にいこう。死んだらママをいじめる人もいないよ…ねえ、いくでしょ?』

そう言って『あきちゃん』は、掴んでいたミカの右腕を引きちぎった

「いやぁ!!!!!!」



ミカの絶叫は、夜中のアパートを響き渡り、闇を裂いた。













あきちゃんはまだ尋問を止めるつもりはないらしく、左腕に手をかける。

が、

『これじゃいつも抱きしめてくれる手が失くなっちゃうね。足なら良いでしょ?』

そう言って足を引っ張り始めた。ミカはあまりの激痛に、

「……わかった!わかったから、お願い…離して…」そう叫んでしまった。



『なぁんだ、やっぱりママはあきちゃんが好きなんだね!ありがとう、ずっと一緒にいようね?』


「わかった…」

右腕と左足の激痛に泣きながら震え、怯えるミカを気にもせず、『あきちゃん』は

『ママ、ずっと一緒だよ。ママ、ママ、ママ、ママ』



と子供のような嬉しそうな笑顔で笑った


腕が、いつの間にか元に戻っていた

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