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最終章へ〜決戦の時




田島――――



次の日、2枚の書類を見比べながら田島は溜め息を付いていた。

「次の犠牲者はあの奥田千夏さんと近藤明史さん…晶仁さんの父か…」


不幸中の幸いか、田島と共に警視総監もその非現実を目撃したため、一連の死者、


伊藤早苗


高橋香織


奥田千夏


近藤明史


は変死として扱われる事になった。

もしもこれ以上の死者がでた場合も、それは全て変死として扱われるらしい




それにしても…田島としては辛い限りだった。目の前で人が惨殺されていくのを、ただ見ているしか出来ないのだ


「くそっ!」

机を殴りつけ、血の滲んだ自分の拳を見つめる田島。



2人の葬儀の時、これ以上被害者を出さないと誓ったはずなのに…


田島はもう一度、先程よりも強く、机を殴りつけた









次の日の午後。

明史の通夜が身内内でひっそりと行われていた。

父の遺影をじっと見詰める晶仁に、田島はゆっくりと近付き、肩に手を置いた。



外へ連れだし、

「こんな時に申し訳ないが…」と話を切り出した。

ミカが二人を心配そうに見詰めている


「上から、貴方のお父様は変死として扱う許可がおりた。

先に亡くなられた彼女達も…

だから、もう殺人犯は誰か、という話はしなくていい


だが、私としてはもう被害者をだしたくないんだ。

昨日、力のある霊能力者に約束を取り付けて来たんだが…お祓いを受けてみないか?」


静かに耳を傾けていた晶仁は、ゆっくりと首を振る

「わざわざ…それはありがとうございます

ですが、父はこの世界で最も力が強いと言われていたので、恐らくその霊能力者には無理でしょう。

出来るとしたら、この私くらいでしょうね…」


田島はその言葉に肩を落としたが、「貴方は明史さんの息子ですからね…

何か手伝える事は無いですか?」

と聞いた


無言で首を振る晶仁に、


「私はあなた方の味方だ。困った事があれば、いつでも」


と言い置き、田島は去って行った。



晶仁は、やはり自分がやらなければならないのか…と覚悟を決めた。













田島と話したあと、しばらく立ち尽くしていた晶仁。


あたしは晶仁に近付き、はっきりと断言した。

「晶仁なら大丈夫だよ」

と。




晶仁は力無く笑って、あたしをそっと、でも力強く、抱きしめてくれた。










次の日の朝、俺はミカと庸平と田島さんを呼び、ある計画を話した。

それは偽りの計画だったが、本当の事を言うと、きっと彼女達は止めるだろうし、何よりも俺の覚悟が揺らいでしまう。










その計画は、明日の夜、晶仁の実家で行われる。












今の俺は、

ミカのためなら命など惜しくない。














そして、当日。


『あきちゃん』は準備を整え終えていた



『待っててね、ミカ…』













一方の晶仁達も、明史の時と同じように、まだ血の生臭さの残った白い部屋で、準備を整えていた

だが、明史の時とは違い、巫も藁人形もいない。

ミカ達はそれが気になったが、言われた通り正座し、晶仁の指示を仰いでいる。









全ての準備を整えた晶仁は、あきちゃんの襲来を待っている

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