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陸の孤島探訪記  作者: ぞいや
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私とキチガイな仲間たち

私は青春時代の大半を、山で過ごした。



祖父母の代からずっと、私の家系はとある宗教を信仰していた。小学校にあがる頃には正式に入会していて(年少の頃に一度予備洗礼というものは受けていた)、月に数回、その地域にある支部に通っていた。


小2にの秋に、姉たちが通っていた(もちろんその宗教が運営する)塾に通うようになり、週に一度、県外のその塾へ行くことが習慣になった。最初は母親同伴だったが、3年生からは一人で片道2時間半を往復していた。入塾テストを受けるのが通例だが、なぜか私の時だけ入塾テストを受けさせられず、問答無用で一番下のクラス(当時クラスは3つ)に入れられた。おそらく小学校低学年の子供のわりにはかなり高度な内容を勉強していたと思うが、当時の自分は新しく知識を得ることが楽しかったのか、家でも自主学習を怠らなかった。塾では授業の始めに100マス計算をするのだが、それが毎回楽しみで友達と競っていた。


また学年が上がるころには、私は上のクラスへと上がっていた。そして友人と一緒に通うようにもなった。何を隠そうこの友人こそが、私の人生に最初に登場する、そして人生の中でも最高クラスのキチガイの一人である。彼の名は岡崎。私と体格は同じぐらい。当時から器械体操を習っており、どこでも倒立を披露してくれ、iPodやPSPなど、当時最新機器と言われていたものを、いち早く取り入れるやつだった。この頃はまだそこまでキチガイだとは思っていなかった。甘かった。


その一年ほど後に、その宗教が新たに中高一貫の学校をつくると言い出した。バカなガキは何の疑問も持たず、親に言われるがまま、その学校への入学を決意した。その選択が、その後の人生を大きく変えることになろうとは、知る由もなかった。


小5の終わりごろには、「小6になったら友達と遊ぶこともなくなって、受験勉強に集中せざるを得ないのだろう」と思っていたものの、全然そんなことはなく、毎日遊びつくしていた。11月に中学の推薦結果がでるということで、夏休み以降はそれなりに勉強していたが、合格通知を受け取ってからは、またもとの生活に戻っていた。ちょうどそのころ、姉が借りてきていたテニス漫画を読んで、完全に影響を受け、テニス部に入ろうとか考えちゃっていた。中学の部活を決めるときなんて、だれしもそんなささいなきっかけによると思うが、それにしても自分はミーハーであると思う。


三月、入学者説明会に行くと、塾で見知っている顔がいくつもあった。教員の情熱的なスピーチを聞き流し、制服採寸を済ませようとしていると、誰かに名前を呼ばれた気がした。その声の主は高間という。もちろんキチガイである。塾では違うクラスにいたため、あまり関わりはなかったが、彼のヤンチャぶりはよく耳にしていた。彼はほかの生徒の親と、新入生に知り合いはいるのか、というような話をしていたらしい。


説明会のあとは、制服が届くのを待ちつつ、小学校ではつつがなく卒業式が終了していた。小学校で進学先を暴露するのは大変面倒だったので、卒業式の日に初めてクラスメイトにはなした。私の地域にはあまり教育熱心な家庭はおらず、ほとんどの生徒が近くの公立中学へ進学したようである。


ーーーそして、いよいよ入学のときーーー

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