67 眷属の皆さん、お待たせしました
それと、早急に調査して手を打ちたいことがある。
それは、井戸だ。
「それから、ヤマト王国の領土で井戸が掘れるところを探してほしい。できれば数多く井戸は掘っておきたい。くみ上げは魔道具でポンプを稼働させよう。それで上水道を引いて、各家庭に水がいきわたるようにしたいんだが可能だろうか?」
「可能か不可能かでいえば可能だと思われます。しかし、それには膨大な資材が必要になると思われます。くみ上げポンプもそうですが、それを各家庭に引くなら圧送管や配管などが必要になります。」
「う~ん、とすると、今はまだ無理だな。」
「そうですね。可能性が一番あるとすれば魔道具の製作でしょうか?」
「魔道具?水の出る魔道具ってこと?」
「はい、その通りです京介様。水の出る魔道具、蛇口のようなものがいいかと思います。」
「マスター、それについてはすでに工房で開発しております。あとは量産ですが、魔核が足りていません。」
「とすると、領土安定のためにも周りの魔物は駆除しておかないといけないな。」
「ご主人様、現在のところ1日当たり300匹ほどの魔物を討伐しております。その内訳は、スライム100、ゴブリン100、ボア50、ワイルドウルフ30、オーク20といったところです。これで一応このヤマトの国の領土内は安全になっております。しかし、それ以外の地域からの魔物の流入が多く、なかなか減ることはありません。特に日本での奈良方面からの流入が激しいようです。」
なるほど。東から来てるのか。だからシオンの町周辺が真っ先に被害にあったんだろうな。
「え~っと。今待機されている眷属の皆さんってどれぐらいいらっしゃるのかな?」
「およそ1万6千ほどが待機中です。」
「うん、それ全部来てもらおうか。その部隊で元のヤマト王国の領土を取り返しておこう。大きく4つに分けて4,000人ずつになるかな。各部隊に東西南北を担当してもらって。で、国境には高さ15m程の城壁を作っておいて、討伐完了後はそこの警備をしてもらおう。日本でいうところの近畿2府4県かな、まずは。城壁には、現在使われている街道ごとに城門も設置してね。」
「かしこまりました。ようやく活動できると眷属の皆さんも喜ぶことと思います。」
うん、それは良かった。1万6千人も待機してたって、いつ暴動が起こるか怖かったからね。
「それですと、おおよそ3か月ほどで完了すると思われます。」
「うん、輝乃。それで行こう。その際、人の集落があったら保護していくようにしてね。それとそれらの集落をつなぐ道も、再整備する必要があるだろうし。後、眷属の皆さんが魔物を狩りに行ったときに場所によっての植生の違いとか調べるようにしておいて。食べれるものはどんどん活用しないとね。取り尽くしちゃだめだよ。程々にね。」
「了解しました、ご主人様」
さて、これで一通りかな。
3か月でヤマト王国を元の形まで復元して、それから半年ほどかけて内需復興だな。
…とすると、その頃までに他の国を排除しておいた方がいいのかな。それともまずヤマト王国を立て直してからにするか。…今はヤマトの国を固めるのが先だな。
どうやら他の国もこの土地の特異性には気づいているようだな。
それは京都とつながっていることで、魔素が集まりやすく肥沃な土地が多いということ。
そのため、妨害工作で国を弱らせ、乗っ取ろうとするところが出てきた。
日本では四国に位置する、イヨ大国と名古屋に位置するオワリ王国だ
あ、忘れてた。木屋町あたりに結界を張っとかなきゃ。
あのあたりの街も早急に作っておくか。眷属の皆さんが休めたり暮らしたりしていけるような街にしよう。
俺の家も作って…。木屋町だけ現代日本が出来上がりそうな気がする…。
「あとは街道などの整備も早急に行わないとね。それと一度全部の魔物を狩っちゃって、魔物の出現頻度の調査もいるか。そうそう、地図も詳細なものが必要だな。優先順位としてはまずは王都の復興、次に農地拡大。その次に周辺のヤマト王国への編入ってところかな。農地はかなり要りそうだな。いっそ南側は全部農地にしておくか。この王都は将来的に広げていけばいいし、今あるシオンの街を最南として王都を予定地を含めて構築。それ以南は全部農地だね。恐らく日本でいうと大阪の枚方や寝屋川あたりまで農地にしておかないと食料自給が追い付かないだろうな。あと家畜の確保もいるね。魔物討伐に合わせて野生の鶏や牛、猪がいたら優先的に生け捕りにして集めておいてほしい。馬は特に今のところ放っておいていいや。魔導車を導入した方が早いだろうしね。とすると日本と同じように道路はすべて最低6mを確保しておこう。同時並行で地図を作りたいな…。」
「マスター、地図については現在少しずつではありますが、ドローンを使って偵察完了区域から地図化しておりますが。」
「そうだね。今わかっているところまでを見せてもらえるかな。」
愛は目の前に会議に出席している者たちにも見えるように可視化し、京都の町から周辺の山々を映し出した。
「短期間のわりに結構広範囲まで偵察できてるんだね。」
「はい、マスター。眷属の皆さんが日頃日本では『狩り』などができないため、かなり張り切って進めてくださってます。」
「う、うん。今の日本じゃ狩りなんてできないもんな。次に来る1万6千の皆さんに、くれぐれも周辺調査もお願いしておいてね。そうだな。神獣にあやかってそれぞれ部隊名をつけようか。東を青竜部隊、南を朱雀部隊、西を白虎部隊、北を玄武部隊としようか。それぞれの部隊に統括小隊を1部隊作ってそこに情報を集約するようにお願いしといて。あとドローンなんかも支給しなきゃね。理想は街道を整備しながら40㎞毎ぐらいに、休憩ポイントとして安全地帯を構築して、周辺を探りながら進んでいくってのが理想だけどね。それぞれにヤマトの国民も同行させておきたいな。今後俺たちの手を離れて王国主体で管理しなきゃいけないからね、その時よくわかってる人が必要だな。」
「それに関しては、すでに王国近衛兵300名とシオンの街で捕縛した100の野盗合わせて400人が既にスタンバイできております。これを100名ずつに振り分けて、それぞれの部隊に同行させればと考えます。」
と、レティが報告してきた。
「ス、スタンバイって?あいつらの再教育が終わってるってこと?」
「はい。すでに魔物討伐体への組み入れも進んでおり、実戦訓練も行っております。」
「そっか。元は戦闘員だったしいいかもね。学術調査の意味合いでは文官なんかの書類整理できる奴らがいた方がいいんだけど。」
「それについても、王城での制圧の際、武官に向かない者たちは既に基礎体力訓練を終えており、いつでも従軍できるかと思われます。すでにあの時大勢いた太った者は一人もおりません。従軍できるほどに足腰を鍛えておりますので、大丈夫かと思われます。」
「そ、そう。レティ、頑張ってくれたんだね。どうやってってことは聞かない方がよさそうだな。その文官部隊にはパソコンやプリンターの使い方もレクチャーしなきゃね。その上でバスを改造した情報集積部隊を作るか。魔核は足りるかな。」
「すでに討伐した魔物は万に達しており、高集積魔核の確保も順調に行えております。今後も増える予定ですので、大丈夫かと思われます。」
「そっか。それじゃそれで行こう。」
全体での動きを確認し、俺は王子と王女、それに主だった貴族たちを別室に集め、話をすることにした。




