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木屋町ホンキートンク Ⅰ  作者: 鴨川 京介
第3章 世界を救う?冗談でしょ?
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44 それにしてもそろそろ向こうに行ってみない?

 俺はそのまま気絶して、三条の会社の中にある自分の部屋にそのまま転送された。

 ご丁寧にバイクは、愛ちゃんが無限収納に回収して、持って帰ってきてくれていた。


 …ああ、ひどい目にあった。


 でもおかげで魔道具の知識は頭の中に入っているようだ。目が覚める少し前まで頭の中の情報整理が行われていたみたいだ。


 起きた後、かなり頭がすっきりしていた。ふぅ。


 それにしても腹が減った。レティが用意してくれた朝ごはんを掻き込むように胃に収めた。

 ふぅ。これで一心地ついた。


 今すぐに魔道具を開発しなけりゃいけないこともないだろう。今の優先順位としてはまず『異界の状況』を見ておかなけりゃいけないだろうな。

 今日一日はちょっと休憩だな。明日、朝から体調も万全にして出かけてみよう。異界に。


 翌日、満を持して異界に乗り込むことにした。

 それぞれが自身のポジションで対応していく中、俺は以前用意していた迷彩服とコンバットブーツを着こんでいた。防刃ベストはボロボロになっていたのをレティが新しいのを購入しておいてくれたようだ。


 ワゴン車を無限収納にしまい、朝早くから異界に向かうために三条通に向かった。同行者は、愛、レティと、眷属の中で編成されたコンバットチーム20名。全員俺と同じ迷彩服を着ている。いつのまに。あれ?みんなの胸にワッペンがついてる。それってシルエットだけだけど…丸いまねき猫?あ、俺のにも付いてるわ。これってスマホの蒔絵の猫と同じなんじゃ…。ま、いいか。チームでお揃いは気分がいいからね。俺としてはもうちょっとかっこいいのが…。はっ、殺気が。今このワッペンを(けな)すとえらいことになりそうだ…。そ、そう。みんなお揃いでよかったね…。


 このコンバットチーム選出の為の会議は揉めに揉めたそうだ。

 ほとんど全員の眷属が、俺と異界に行ってみたかったらしく、最後は各種族同士でくじ引きを行って1名選出したそうだ。


 『迷彩』で姿を隠しながら、ぞろぞろと三条通にある龍馬受難の地、石碑の前に。

 タイミングを合わせて全員で異界に転移した。

 ちなみに『迷彩』の魔法をかけていても仲間同士では相手の姿を確認できていた。


 さて、この異界で俺がやることは、この星の結界の恒久的な維持と、ヤマト王国の永続支援。

 それにしてもまずはこのヤマト王国がどんな状況なのかを把握しなければいけない。


 異界に渡った俺たちは、まずは三条大橋を渡って東側へ歩く。

 すでに気づいていたが、高さ10mほどの大きな城壁が並んでいる。

 鴨川を堀と見立てた城壁だ。この城壁で魔物からの侵略を防いでいたのだろう。

 まずは俺が声をかけてみる。


 「誰かいませんか。俺たちは旅のもので一夜の宿を求めています。町への入場を許可してもらいたい。」と、大声で城門に話しかけた。


 すると、城壁の上に、でっぷり太った男が出てきた。鎧を着て、服は普通の洋服のようだ。髪は金髪?かなり汚れていて判別がしずらい。黒髪ではないようだ。


 「何処の誰か判らん奴を町に入れるわけにはいかねえ。身分を表すものをなんか持ってるか。」と、眷属の女の子たちをにやにやしながら見回してそう叫んだ。


 う~ん。この顔。すでによからぬことを妄想してそうだな。


 「身分を証明するものはない。」


 「だったら引き返してもらおう。」


 「とにかくこの街の代表者はいないのか。代官や領主といった人だ。」


 「俺がこの城門の警備の代表だ。俺が認めない限り、この門を通すわけにはいかん。帰れ帰れ。もっとも、そこに連れている女どもをこちらによこすなら話を聞いてやらんでもないがな。」と、大笑いしながら、城門の上から怒鳴っていた巨体を揺らしながら城壁の向こう側に消えていった。


 …だめだなこりゃ。


 ちょっと時間をおいて対策を考えよう。

 三条大橋を戻って先斗町のあたりの河原にワゴン車を出した。それを城門側の盾として、テントを張って囲炉裏を組んだ。早くキャンピングカーがほしいよな。


 「マスター、その件についてはすでにいくつか手を打っております。」と愛ちゃんから返事が来た。最近、頭で思ってるだけで話が通じることに慣れすぎちゃって、この子たち以外との会話が少し不安だよ。


 「どういうこと?」


 「九州にあるキャンピングカーの改装専門業者と話をしに眷属の一人が向かっています。数台のキャンピングカーを手配することにしておりますが、納入までには3か月ほどかかる模様です。とりあえず早急に一台、展示車の中から選び納車できるように手配しております。」


 「そっか。みんなが野ざらしで寝るのもつらいからね。できるだけ早急に手を打ってあげてね。」


 「了解しました、マスター。」


 「ところで京介様、この後いかがいたしましょうか。」


 「う~ん、そうだな。あの高い城壁を上るのも手間だし、入る前に中の様子を知る方法がないかな。あ、そうだ。ドローン持ってきて上空から見てみようか。」


 「了解しました。さっそく手配し、日本から持ってこさせるようにいたします。」


 今のドローンはかなり高性能で安く手に入れることができる。画像も動画や静止画など。モノによっては赤外線カメラなんかをつけれるものもあるらしい。操作も専用のコントローラーがなくてもタブレットやスマホでできるものもある。


 なんとなく焚火しながら火の周りでくつろいでいると、1時間もしないうちに眷属の一人がやってきた。腕輪型の無限収納から3機のドローンを取り出した。

 それをさっそく組み立て、飛ばしてみた。このドローンだと2㎞ほどは遠隔操作ができるそうだ。


 さっそく高度を上げて、城壁の向こう側を偵察してみよう。


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