33 お手伝いさん?眷属らしいです
依頼内容としては、異界の結界強化と分離永続。それとヤマト王国の復興と結界。
「俺への報酬は何があるんだ?」
「日本での魔道具の使用と開発の許可。それにいろいろと便宜が図れることもあるじゃろう。何せ、わしらは昔からこの国におるでな。大概のことはできる。あとは…そうじゃな。わしらの眷属をお前に付けることにする。最低限の数がおればわしらは良いでな。おぬしの手伝いとして遣わそう。」
「眷属って?それにどれぐらいの人数だ?」
「眷属はそれぞれの血を引くあやかしとしての眷属じゃ。もちろん人化もできる。数はそうじゃな…それぞれの眷属が1,000ずつぐらいかの?今ここにおる長は全部で18じゃから、すべて合わせると1万8千人ほどになるかの。」
…ふ~。ちょっと待て。ちょっと落ち着こう。
「いきなりそんな人数が来られても対処できないぞ。はじめはそれぞれの代表を1名ずつで頼む。そのあと割り振りや役割分担を考えよう。まだ引越す先の家も探して無いしな。」
「それについてはお任せください、マスター。すでに選定、下見は済んでおります。この後お時間がございましたら、一緒に下見に向かうのはいかがでしょうか。」
おぉ。そういえばお前がいたな。愛ちゃん。そういえば走り回ってくれてたな。
「わかった。できるだけ早く見に行こう。俺はこの依頼を受けることにする。どうやら俺以外にできることじゃなさそうだし。…案外面白いのかもしれない。異世界を正20面体で覆うなんて、異世界を回りつくさないとできないだろうしな。それも面白い。問題はどれだけの年月かかるかってことだな…。」
「おぉ、それについては心配することはなかろう。なんせお前はすでに新人類に進化しておることじゃし、わしらからの教えを受ければさらに高みに上るじゃろう。寿命などあってないようなものになる。それにお主はすでに『変化』で、自由に年齢も変えられるじゃろ。あと日本に住むための戸籍じゃが、それもどうにでもなる。まあ、その辺は安心しておれ。」
……いや~。ここにきて、まだ驚かされるってか。
安心なんかできるか!
俺の老後のプランが、夢と散った瞬間だった。
そのあと転居予定の家を見に行った。
京都三条にある町屋だった。
俺を手伝うために、それぞれのあやかしから眷属が使わされてきた。
それぞれ、まず連絡係として一名ずつらしい。それにしても18種、18人。全部女の子。
確かにあやかしとしての性はないらしいが、これじゃあ俺がハーレム作ってるみたいじゃねーか。
外聞が悪いわ。
確かにむさくるしい男が大勢いるのも嫌だけどさ…。
あ、今1万8千人のむさくるしい眷属がえいえいおーってやってる姿がビジョンで浮かんだ。
…うん、ごめん。女の子でいいや。
それにしても早急に引越ししなければいけない。
まずはこの物件を押さえて…。え?すでに押さえてる?契約書も交わした。そう。ありがとね。
じゃあさっそく、改装しますか。
さすがにそれぞれの眷属の代表だけあって優秀だ。
あっという間にリフォームが始まった。
通りに面している『店』の部分はほとんどそのままにきれいに修復。
ここは接客スペースとして、応接セットと受付カウンター程度でいい。
うん。どっから持ってきたの、そのソファーとテーブル。え?今作った?ここで?
…う、うん。優秀だよね。
今回の俺への派遣に際して、いろいろと資材をもってきているらしい。
それも眷属専用の無限収納に大量に入れているらしい。
なるほど。君たちの無限収納は左手にはめてるブレスレットなんだね。
…くれぐれも電子機器と融合しちゃだめだぞ。これはおじさんとの約束だ。
…あぁ、もう、だんだん壊れていく。結構耐性ついたはずなんだけどな。
なんせ見た目が中学生ぐらいの女の子が、右往左往しながら店の改装を急ピッチでこなしていってる。
確かみんな見た目が変えられるんだよね。
申し訳ないがおじさんにロリコンの趣味はないんだ。
落ち着いてからでいいから、みんな20歳以上の女性に変化しておいてね。
え、すぐできる?
おっと、一斉にみんな女子大生ぐらいになった。
……これはこれで落ち着かんな。
慣れるしかないか。さすがにおばちゃんは嫌だしな。
これが1万8千人か…。
考えまい考えまい。今はこの家の改装だけ考えよう。そうしよう。先送り先送り…。
中の間は空間拡張を使ってかなり広くなっていた。
うん、これ学校の体育館ぐらいあるよね。え?これでも自重した?そうですか…。
それらをパーテーションで区切って行って、あっという間にいろいろと部屋ができてきた。
入ってすぐの大広間は100人ぐらいは入れそうだね。
なるほど、ここで会議するんだね。うんうん、わかるよ。全部話は聞くからぁ。
その奥に社長室や営業部なんて表札もかかってる。
あと、中にはこの先の、普通なら炊事場があるあたりなのだが…。
なるほど。ここは工房なのかな?
すでに工場と呼んでもおかしくないような広さがあるけど。え?これも自重した。ありがとうねぇ。
あれ?俺の住むところって無くね?俺の引っ越しだよね?
え?社長室?そこに住むの?
入ればわかるらしい。一抹の不安を抱きながら入ってみた。
社長の机。その前に応接セット。うん、広さはともかく普通だね。
うん?その奥に扉があるね。
おぉ、これは20畳ぐらいあるね。ワンルームなんだね。
一応キッチンもトイレも風呂もついてるじゃない。
うん。これで十分だよ。不満なんてないよ。泣いてなんかないよ。
俺の中で何かがゴロゴロと崩れている。
俺って大学時代建築を勉強したんだよな。
もっともここでは全然役に立ちそうにないけど。




